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IWATA × AI

磐田で、AIを使う人を増やしたい。

2026年6月、磐田で不動産と介護の仕事をしている私は、AIを本格的に使い始めました。プログラマーではありません。2000年頃からウェブには触れてきましたが、「読めるが、つくれない」とずっと感じてきた人間です。それが、この2か月足らずで変わりました。磐田の歴史を伝える「磐田物語」、暮らしの困りごとを整理する「遠州ライフハック」(磐田・袋井・掛川・森町・菊川・御前崎・湖西・浜松)、市内の神社を記録する「ATAWI SHRINE」、空き家・相続の相談窓口、このサイト自身――気づけば10以上のサイトを、自分の手で動かしています。特別な才能があったからではありません。順番を間違えなければ、誰でもここまで進めます。このページには、私が実際にどうAIを使っているか、そして「自分も使ってみたい」「教えてほしい」「磐田で広げたい」と思う方への具体的な入口を書きました。

私がAIをどう使っているか

肩書は、磐田で不動産・介護の仕事をする経営者です。プログラマーでも、Web制作の専門家でもありません。AIを本格的に使い始めたのは2026年6月。そこから2026年7月6日〜8月11日の約5週間だけを数えても、更新履歴に記録が残っているものだけで109件、37日にわたって手を入れてきました。

AIに丸投げしているわけではありません。実際にやっているのは、地味な作業の積み重ねです。

AIは、私の代わりに考えてくれる道具ではありません。私が「読めるが、つくれない」と諦めていたことを、実際に手を動かして形にするための道具でした。このプロセスは、挿絵入り30ページの本『この街、まだ詰んでない。』にまとめています。

個人でAIを使いたい方へ

「AIを使ってみたいけれど、何から始めればいいかわからない」という方へ。私自身がそうでした。振り返って近道だったと思うのは、次の三つです。

  1. 大きな目標を立てない。 「サイトをつくる」ではなく、「自分が知っていることを一つ書き出す」から始めました。
  2. 得意なことから始める。 私の場合は、磐田の不動産・介護の現場で見聞きしてきたことでした。詳しい分野の方が、AIの間違いにも自分で気づけます。
  3. 完成を急がない。 一度で仕上げようとせず、少しずつ直す前提で始めました。小さな修正を積み重ねる方が、続けられます。

一番の助言は、「まず自分の得意なことで、小さく試してみる」ということです。うまくいかなくても、直せばいいだけです。

教えてほしい方へ

「使い方を教えてほしい」という声もいただきます。正直に書きます。まだ体系立てた講座は用意できていません。ただ、10以上のサイトを実際に動かしながら学んできた実践知はあります。まずはお問い合わせから、聞きたいことを送ってください。個別にお話しする形から始めています。関心を持つ方がまとまれば、事業者向けの勉強会(下の「磐田でAIを広げたい方へ」)につなげていきます。

磐田でAIを広げたい方へ

AIは、地域を変える魔法ではありません。けれど、一人でここまで進められたのなら、同じように動く人が10人、30人と増えたとき、磐田は変わり始めるかもしれない。『この街、まだ詰んでない。』で書いたのは、その問いです。

行政・介護・空き家・教育・地元事業者――それぞれの現場でAIをどう使えるか、そして何を守るべきかを、下にまとめました。まず土台になるのは、次の5原則です。

AI活用で守るべき5つの原則

どの分野でAIを使うときも、この5つを土台に置きます。便利さより先に、この原則が来ます。

  1. 最後は人間が判断する。 AIが出した答えを、そのまま市民への回答や行政判断に使わない。介護・福祉・教育・住まい・補助金・相談支援など、人の生活に影響する分野では、人間による確認を必ず残す。
  2. 個人情報を軽く扱わない。 氏名、住所、病歴、家族構成、経済状況、不動産情報、学校生活の悩み――入力してよい情報、いけない情報、匿名化すべき情報を分けて扱う。
  3. AIの偏りを疑う。 AIは中立に見えて、学習データや設計の影響を受ける。高齢者、障がいのある方、外国人、市街化調整区域に住む方、情報機器が苦手な方が不利にならない設計を。
  4. 説明できる仕組みにする。 「なぜその回答になったのか」を市民が理解できないAI活用は、公共の場面では慎重に。回答を使う場合も、根拠・参照情報・人間の確認プロセスを明確にする。
  5. AIより先に、現場を見る。 地域には、データになっていない声があります。独居高齢者の不安、空き家所有者の迷い、子どもの表情、現場職員の疲れ、家族の遠慮。データだけで判断せず、現場の声と組み合わせて進める。

AIの倫理をめぐる議論は、最後には「人間とは何か」「判断とは何か」「責任は誰が負うのか」という問いに行き着きます。AIを過大評価しても、過小評価してもいけない。磐田では、その真ん中の姿勢――道具として賢く使い、判断は手放さない――を貫きます。

5つの重点分野

抽象論で終わらせないために、5つの分野それぞれで「取り組むこと」と「守ること」を書き出しました。

AI × 介護 ―― 磐田の介護現場に「見守る力」を

介護の課題は、単に人手が足りないという話ではありません。家族、介護職、ケアマネジャー、医療職、地域包括支援センターが、それぞれ限られた時間の中で高齢者の生活を支えています。その現場で本当に必要なのは、人を置き換えるAIではなく、人が見落としやすい変化に早く気づき、人が判断すべき場面に時間を戻すAIです。介護を「我慢で支える仕組み」から「早く気づき、早く支える仕組み」へ変えていきます。

磐田で取り組むべきこと

  • 介護記録の負担を減らす。 記録、申し送り、報告書、ケアプラン作成の補助資料づくりに、音声入力・要約・定型文作成支援を導入して現場の作業を短くする。ただしAIが書いた記録をそのまま正解にはしない。最終確認は必ず職員が行い、AIが推測した部分と職員が確認した事実を分けて残す。
  • 見守りデータで「急変の前兆」に気づく。 センサー、服薬記録、食事量、睡眠、転倒リスク、通院履歴を組み合わせ、生活の変化を早めに見つける。AIの役割は「この人は危険だ」と決めつけることではなく、「いつもと違う変化がある」と知らせること。独居高齢者・老老介護・認知症の初期対応など、早期発見が重要な領域から小さく始める。
  • 家族介護者を孤立させない。 AIチャット相談で、介護保険サービス、地域包括支援センター、緊急相談先、家族会、レスパイト支援をわかりやすく案内する。ただしAI相談を「窓口の代替」にはしない。深刻な相談、虐待のおそれ、認知症の急変、介護者の限界が見える場合は、人間の相談員につなぐ設計にする。

守ること

高齢者本人の尊厳を最優先に置き、提案を採用するかどうかは必ず担当職員と事業所が責任を持って判断します。介護データは特に敏感な生活情報として、取得目的・保存期間・閲覧権限を明確にし、年齢・障がい・認知症・独居という属性だけで不利益な扱いをしません。

磐田の介護に必要なのは、冷たい自動化ではありません。人の目、人の声、人の判断を残すために、AIを使うことです。

AI × 空き家・不動産 ―― 勘ではなく、データで動かす

空き家問題は、建物が古くなることだけが原因ではありません。相続、所有者不明、管理費、解体費、地域の需要、交通、災害リスク、移住希望者とのミスマッチが重なって起きます。だからこそ、感覚だけで対策するのではなく、地域の実態を見える化し、優先順位をつける必要があります。AIは空き家を魔法のように売却する道具ではありませんが、点在する情報を整理し、危険度や活用可能性を推定し、必要な情報を届ける道具にはなります。

磐田で取り組むべきこと

  • 空き家の状態を地図で見える化する。 空き家台帳、固定資産情報、道路情報、防災情報、通報履歴、現地調査結果を整理し、地域ごとに状態を把握する。倒壊リスク、草木繁茂、防犯上の懸念、活用可能性を分類する。ただしAIの分類を最終判断にはしない。現地確認・所有者確認・近隣住民の声を合わせて判断する。
  • 「危険な空き家」と「活かせる空き家」を分ける。 すべてを同じに扱うと対策は進まない。危険度が高いものは安全対策と所有者への働きかけを急ぎ、状態がよく生活利便性のある物件は、移住・子育て世帯・二地域居住・創業・地域活動拠点として活用を検討する。
  • 所有者に「次の一手」を届ける。 相続登記、解体補助、売却、賃貸、管理委託、リフォーム、空き家バンク登録などの選択肢を、AI相談で整理して案内する。ただし法律・税務・契約の判断は専門家につなぐ。AIは案内役であり、専門判断の代替ではない。

守ること

所有者情報や税情報は公開せず、庁内利用でも閲覧権限を限定します。危険度や活用可能性の判定理由は職員が説明できる形にし、古い地域・低価格地域・単身高齢者所有の物件を一律に不利扱いしません。最終的な指導・勧告・補助金判断は、市の担当部署が責任を持ちます。

空き家は、放置すれば地域の不安になります。しかし状態と場所によっては、次の暮らしを受け入れる資源にもなります。AIで見える化し、人が対話し、地域で活かす。その順番で進めます。

AI × 教育 ―― 使いこなす力と、疑う力を

これからの子どもたちは、AIを使う社会で生きていきます。だから必要なのは、AIを禁止する教育でも、AIに丸投げする教育でもありません。AIを道具として使い、出てきた答えを疑い、自分の考えを深め、他者と協働する力を育てることです。AIを使うほど、子どもたちには人間にしかできない問い・表現・関係づくりを学ぶ必要があります。

磐田で取り組むべきこと

  • AIリテラシーを全学年で段階的に学ぶ。 小学校では「AIは間違える/個人情報を入れない/答えをそのまま写さない」という基本を。中学校では、生成AIを使った調査・要約・比較・発表準備を行い、出典確認や偏りの見つけ方を学ぶ。高校世代には、進路・探究・地域課題解決でAIを実践的に使う機会をつくる。
  • 教員の負担を減らし、子どもと向き合う時間を増やす。 授業案のたたき台、教材の難易度調整、個別プリント作成、連絡文の下書き、校務文書の要約に活用する。目的は教員を評価することではなく、教員が子どもを見る時間を増やすこと。AIが作った教材は教員が確認するルールを明確にし、誤情報・著作権・個人情報・偏った表現が混じる可能性を前提にする。
  • 不登校・学習困難・外国につながる子どもを支える。 AI翻訳、読み上げ、要約、個別学習支援は、学びにくさを抱える子どもの大きな助けになる。ただしAIが子どもをラベルづけしてはいけない。学習履歴や相談履歴は慎重に扱い、支援のために使うことを徹底する。

守ること

AIの答えより、子ども自身の考え・経験・表現を大切にします。どの場面でAIを使ったのかは子どもにも保護者にも説明できるようにし、家庭の端末環境や経済状況で活用の機会に差が出ないようにします。進路指導・評価・特別支援の判断をAI任せにしません。

大切なのは、早く答えを出すことだけではありません。問いを立て、比べ、疑い、自分の言葉で伝えること。磐田の子どもたちには、AIを恐れず、依存せず、主体的に使う力を育てます。

AI × 行政・市民サービス ―― 待たせない・迷わせない窓口へ

市民が市役所に求めているのは、難しい制度名ではありません。「自分は何をすればよいのか」「どの書類が必要なのか」「どこに相談すればよいのか」がすぐわかることです。AIはこの迷いを減らせます。ただし行政でAIを使うことには重い責任が伴います。説明できない判断、責任の所在が曖昧な判断、偏ったデータによる判断は、市民の信頼を壊します。だから磐田市のAI活用は、便利さだけでなく説明責任と公平性を中心に置きます。

磐田で取り組むべきこと

  • 24時間使える市民向けAI案内。 子育て、介護、住民票、税、国保、防災、ごみ、補助金、公共施設予約など、多い質問にAIが答える窓口を整える。夜間や休日でも、必要な手続き・担当窓口・持ち物・申請期限を案内できるように。ただしAIに行政判断はさせない。AIは案内役に徹し、権利義務に関わる判断・減免・給付・許認可・個別相談は職員につなぐ。
  • 職員の文書作成と調査を支援する。 議事録要約、庁内資料の整理、条例や要綱の検索、過去答弁の確認、FAQ更新案の作成に活用し、下作業に追われる時間を減らして、市民対応と企画立案に時間を振り向ける。AIが作った文章は必ず職員が確認し、根拠資料へのリンクを残す。
  • 「たらい回し」を減らす庁内連携。 生活困窮・介護・子育て・住宅・障がい・防災が重なる相談では、AIで関連制度や担当部署を横断的に提示し、初回相談から適切な部署につなげる。

守ること

AIが案内した根拠ページ・制度名・更新日を必ず表示し、最終判断は市職員が行います。AIの回答だけで不利益処分はしません。高齢者・障がい者・外国人・機器が苦手な人を排除せず、個人情報を入力しなくても一般案内が使える設計にします。

AIで市役所を冷たくするのではありません。市民が迷う時間を減らし、職員が人に向き合う時間を増やすために使う。わかりやすく、説明でき、誰も置き去りにしない窓口へ変えていきます。

すでに動いている「迷わせない案内」

「待たせない・迷わせない案内」という発想を、私はすでにくらしの知恵袋「遠州ライフハック」として形にしてきました。市ごとに、暮らしの手続きや困りごとを、やさしい言葉で調べられるサイトです。ここにAIを重ねれば、「自分は何をすればいいのか」がもっと早く分かる案内に育てられます。まずは磐田から、遠州の各市へ広げてきたこのネットワークを、これからのAI活用の土台にしていきます。

AI × 地元事業者 ―― 小さな会社こそ、時間と売上を取り戻す

AI活用は大企業だけのものではありません。むしろ、人手が限られ、事務・営業・採用・発信・見積もり・問い合わせ対応を少人数で抱える地元事業者にこそ効果があります。AIは社長や職人の代わりになるものではなく、日々の雑務を減らし、強みを伝える時間を増やす道具です。必要なのは高額なシステム導入ではなく、現場の業務を一つずつ軽くする実用的な使い方です。

磐田で取り組むべきこと

  • 小規模事業者向けAI相談・伴走支援。 飲食・小売・製造・建設・農業・介護・観光・士業など、業種ごとに使い道は違う。市や商工団体が連携し、「何から始めるか」を相談できる場をつくる。最初は、ホームページ更新、SNS投稿、チラシ文案、問い合わせ返信、見積書の下書き、議事録要約、求人票作成など、すぐ効果が見える業務に絞る。
  • 受発注・在庫・顧客対応を見える化する。 過去の売上、季節変動、天候、イベント、在庫、問い合わせ履歴を整理すれば、AIは需要予測や発注量の目安づくりを助けられる。勘と経験を否定するのではなく、勘と経験をデータで補強する。製造業では、作業日報の要約、不良原因の整理、技能継承のマニュアル化にも。
  • 地元の魅力を発信する。 磐田には、外から見えにくい技術・商品・職人・農産物・店の物語がある。AIを使えば、写真説明、商品紹介、採用メッセージ、外国語案内、観光客向け発信を短時間でつくれる。ただし最後は、事業者自身の言葉・地域の具体名・実際の写真・顧客の声を入れて、薄い宣伝文にしないことが重要。

守ること

顧客名・住所・病歴・取引条件などを外部AIに不用意に入力しません。見積もり・契約・採用・与信判断をAIだけで決めず、採用や顧客対応で年齢・性別・国籍・障がいによる不利な扱いを避けます。AIを使った問い合わせ対応でも、必要に応じて人間につながる導線を用意します。

地元事業者の強みは、顔が見えること、技術があること、地域に根ざしていること。AIはその強みを奪うものではなく、伝える力と続ける力を支える道具です。

これから小さく試したいこと

大きな仕組みを一度に、ではなく、小さく試して、役に立つものを広げていきます。

AI活用の約束

  • AIの答えをそのまま最終判断にしません。
  • 個人情報を不用意に入力しません。
  • AIの偏りや間違いを前提に確認します。
  • 市民、利用者、子ども、相談者の尊厳を守ります。
  • AIで効率化した時間を、人に向き合う時間へ戻します。

※ ここで紹介するAI活用は、制度判断・医療判断・法律判断・不動産価格の確定・行政処分等をAIに任せるものではありません。AIは情報整理と検討材料の作成を支援する道具であり、最終判断は必ず人間の専門職・担当者が行うべきものです。

便利さだけでなく、責任も語る。効率化だけでなく、人間らしさも守る。それが、私が磐田で進めたいAIの活用です。個人でAIを使いたい方、教えてほしい方、磐田で広げたい方――どの入口からでも構いません。お問い合わせからご連絡ください。私が実際に各サイトでAIをどう使って手を入れてきたかは、更新履歴に一つずつ記録しています。