Q. 秋の交通安全運動って、いつからですか。磐田では何がありますか。
2026年9月21日(月曜)から30日(水曜)までの10日間です。磐田市の一斉街頭キャンペーンは、その3日前の9月18日(金曜)。市内の人身事故は令和7年に769件で、過去10年で最少でした。ただし亡くなった2人は、どちらも高齢者です。事故の7割は追突と出会い頭で、危ないのは道ではなく交差点とその手前です。
導入——9月21日から10日間、磐田に旗が立つ
令和8年秋の全国交通安全運動は、2026年9月21日(月曜)から9月30日(水曜)までの10日間です。令和8年7月1日の中央交通安全対策会議 交通対策本部で決定され、静岡県も磐田市も同じ期間で実施します。磐田市は運動が始まる3日前、9月18日(金曜)に市内一斉街頭キャンペーンを行うと公表しています。
期間より先に、数字を置きます。磐田市が公表した令和7年(2025年)の市内人身事故は769件、死者2人、負傷者993人。令和6年は904件・死者9人・負傷者1,117人。件数は135件、死者は7人減りました。数字だけ見れば、はっきり良くなっています。
私は磐田市で小さな不動産業をしています。物件を案内するときに必ず見るのが、その家の前の道と、いちばん近い交差点です。交通事故の統計は、私にとって街の安全の話であると同時に、その土地の値打ちの話でもあります。今回は769件という数字を、不動産屋の癖で割り戻してみます。
まず、事実を整理する——期間・重点・磐田の日程
令和8年秋の全国交通安全運動の全国重点は3つです。内閣府の推進要綱によると、①歩行者の安全確保と反射材用品の着用促進、②夕暮れ時の早めのライト点灯と飲酒運転や「ながらスマホ」の根絶、③自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底。静岡県はこの3つに、④各市町交通安全対策協議会等が決定する事項を加えています。
推進要綱には、重点を置いた理由も書かれています。「交通事故死者数全体を状態別で見ると,歩行中の割合が最も高く,その中でも高齢者の割合が約7割を占めているほか,特に秋口から年末にかけて夜間における歩行中の交通事故による死者数が多くなっている。」秋にこの運動があるのは、秋から年末にかけて歩行者が死ぬからです。
日付を並べます。9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」。静岡県の統一行事では、9月18日が「運動事前広報・街頭指導の日」、9月24日が「夕暮れ時と夜間の交通事故防止の日(ピカッと作戦!)」。令和8年度の静岡県のスローガンは「安全を つなげて広げて 事故ゼロへ」です。
磐田市の令和8年度 交通安全活動推進計画にある重点的な取組は5つ。子どもと高齢者の事故防止、自転車の事故防止とヘルメット着用率の向上、交差点での事故防止、発生傾向に応じた対策、関係機関の情報共有。年間目標値は交通事故死者数 年間0人、人身事故発生件数 年間690件以下です。
ひとつ、確認できなかったことを書いておきます。磐田市のサイトには春と夏の実施要綱がPDFで載っていますが、2026年8月27日時点で、秋の実施要綱PDFは未掲載です。市独自の秋の重点は未公表で、載っているのは期間と街頭キャンペーンの日付だけでした。
769件を割ってみる——1日2.1件、7割が追突と出会い頭
令和7年の769件を、365日で割ります。1日あたり2.1件。磐田市内のどこかで、毎日2件、人身事故が起きている計算になります。以下の割り戻しはすべて、公表値を令和7年の365日で割った筆者の概算です。
次に、事故の形を見ます。磐田警察署と交通安全協会磐田地区支部の「令和7年 交通事故のあらまし」によると、769件のうち追突が286件(37.2%)、出会い頭が267件(34.7%)。2つで553件、全体の71.9%です。あらましには「磐田市では、追突事故と出会い頭事故が多発しています!」とはっきり書かれています。
場所も偏っています。交差点内で起きた事故は332件、全体の43.2%。365日で割ると1日0.91件、ほぼ毎日1件、磐田のどこかの交差点で人身事故が起きています。交番・駐在所別では豊田が180件で最多、磐田駅前106件、見付79件、御厨駅前74件、磐田南部71件と続き、御厨駅前は前年比プラス10件で唯一の二桁増でした。
誰が起こしているかも公表されています。第1当事者(事故の主な原因側)の年齢は65歳以上が217件で28.2%と最も多く、違反別では安全不確認が212件で最多、動静不注視110件、漫然運転82件と続きます。追突と出会い頭が7割という形と、この違反の並びは、そのままつながっています。
事故は半分になった。それでも死者2人は、どちらも高齢者だった
磐田市内の人身事故は、10年で半分になりました。平成28年(2016年)は1,500件。令和7年(2025年)は769件。48.7%減です。負傷者も1,938人から993人へ、ほぼ半分です。
その令和7年に、2人が亡くなっています。あらましによると、1件目は1月1日午後3時31分ころ、匂坂上の市道。信号のない交差点で軽四乗用車と普通乗用車が出会い頭に衝突し、軽四に同乗していた高齢の男性が亡くなりました。2件目は2月24日午後5時13分ころ、大原の市道。軽四貨物車と歩行者が衝突し、歩行者だった高齢の男性が亡くなりました。
2件とも、秋の運動の全国重点にそのまま重なります。1件目は交差点の出会い頭。2件目は日が短い時期の午後5時すぎ、歩行者が巻き込まれた事故です。769件は過去10年で最少でした。それでも、亡くなった2人はどちらも高齢者でした。件数は半分にできても、いちばん弱い立場の人がいちばん危ないという形は、10年で変わっていません。
全体が135件減った中で、増えたものが1つだけあります。幼児の事故です。令和6年の7件から令和7年は12件へ、5件の増加。園児10件、小学生23件(前年35件)、中学生14件、高校生26件は、いずれも減っています。なぜ幼児だけが増えたのか、公表資料からは読み取れませんでした。件数が小さいので年ごとのばらつきかもしれません。
今年だけ違うこと——9月1日から、生活道路は時速30キロ
2026年の秋の運動には、去年までにない前提があります。静岡県の実施要綱に、広報啓発の項目としてこう書かれています。「令和8年9月1日から、生活道路において、法定速度が30キロメートル毎時に引き下げられることに対する広報啓発の推進」。速度標識のない細い道の法定速度が、9月1日から変わります。
つまり秋の運動は、施行の20日後に始まります。9月1日にルールが変わり、9月21日から旗が立つ。どの道が対象になるかの細かい条件は、私には確認しきれませんでした。生活圏の道については、静岡県警や市の案内でご確認ください。
もう1つ、今年から変わったものがあります。令和8年4月1日から、自転車などの軽車両に交通反則通告制度、いわゆる青切符が導入されました。静岡県の令和8年度の基本方針にも、その「周知及び定着化」が推進事項として挙げられています。磐田市内の自転車事故は令和7年に71件、前年比13件減でした。
評価——良い点と、注文したい点
良いと思った点を、先に3つ数えます。
一つめ。街頭キャンペーンを、運動の前に置いていること。磐田市の一斉街頭キャンペーンは9月18日、運動開始の3日前です。静岡県の統一行事でも同じ日が「運動事前広報・街頭指導の日」。始まってから立つのではなく、始まる前に立つ。旗を見た人が、翌週から気をつける余地が残ります。
二つめ。目標を、件数で置いていること。令和8年度の年間目標値は「人身事故発生件数 年間690件以下」。令和7年の769件から79件減らす、という具体的な数字です。数字で置けば、達成したかどうかが年度末に分かります。
三つめ。事故の中身が、細かく公表されていること。類型別、年齢別、違反別、交番・駐在所別まで出ています。豊田180件、御厨駅前74件という粒度で外から見える自治体は、そう多くありません。
そのうえで、注文を2つ。私は市の側の人間ではありません。磐田で商売をしている一事業者の要望として読んでください。
1つ。9月18日の街頭キャンペーンを、どこで何時にやるのかを、もっと早く出してほしい。2026年8月27日時点で、市のページに載っているのは実施日だけです。場所と時間が分かれば、沿道の店は看板の位置を変えられるし、その日の朝の配達時間もずらせます。道を使って商売をしている側にも、予定を合わせる余地があります。
2つ。秋の実施要綱を、9月1日の速度引き下げに合わせて出してほしい。春と夏の要綱はPDFで載っているのに、秋は2026年8月27日時点で未掲載です。生活道路が時速30キロになる9月1日と、運動が始まる9月21日のあいだの20日が、いちばん周知の要る期間です。制度の話ではなく、出す時期の話です。
ここは私の考えです——見るべきは「道」ではなく「交差点の手前」
ここから先は事実ではなく、私の考えです。交通事故の現場に立ち会った場面が手元にないので、体験ではなく意見として書きます。
私は不動産屋なので、数字を「1日あたり」「1軒あたり」に割り戻す癖がついています。769件を365日で割った2.1件という数字を見て思うのは、事故はめったに起きないことではない、ということです。磐田では毎日起きています。10年で半分になっても、毎日2件です。
そして、追突と出会い頭で7割ということは、危ないのは「道」ではなく「交差点と、その手前」です。止まる場所と、交わる場所で起きている。
だから私は、物件を案内するときに、その家からいちばん近い交差点に立ちます。信号があるか。止まれの標識があるか。左右の見通しが建物や生垣で切れていないか。買う側にとっては、その交差点を1日2回、20年通ることになります。間取りより長く付き合う相手です。
正直に書くと、私にはその交差点を「危ない」と判定する資格がありません。決めるのは警察と道路管理者で、私にできるのは「一度、夕方に立ってみてください」と言うことだけです。それでも毎回立っています。
対案・結論——今日できる確認は、3つ
一つめ。9月18日を、家族の予定に入れてください。磐田市の一斉街頭キャンペーンの日です。高齢の親が近くにいるなら、この日は「街に旗が立つ日」として、運転の話を切り出しやすい。正面から切り出すと角が立つ話も、行事があれば入り口になります。
二つめ。9月1日から生活道路が時速30キロになることを、家族で運転する人に伝えてください。速度標識のない細い道は扱いが変わります。毎日通っている道こそ、変わったことに気づきにくい。
三つめ。夕方の交差点に、一度立ってみてください。令和7年の死亡事故の2件目は午後5時13分。9月24日は静岡県の「夕暮れ時と夜間の交通事故防止の日」です。昼に見て安全だった交差点が、日が傾くとまったく違って見えることがあります。
今日、何かを決める必要はありません。今日の成果は、「磐田では毎日2.1件、人身事故が起きている」「7割は追突と出会い頭」の2つを知った状態です。これを知っていれば、9月21日に旗を見たときの意味が変わります。
最後に一言。
9月の磐田は、19日と20日に見付で天神裸祭があります。その翌日の21日から、秋の交通安全運動が始まります。祭りの夜が明けて、旗が立つ。毎年、この順番です。
数字の話に戻ります。10年で1,500件が769件になりました。道路を直した人、旗を持って朝に立った人、車の側の装置を作った人、その全部が積み上げた結果だと思います。誰か1人の手柄ではありません。
だから私は、769件という数字を「よくなった」の証拠としては使わないことにしています。証拠にした瞬間に、あと79件をどう減らすかの話が終わるからです。目標は690件。あと79件。365日で割れば、4.6日に1件です。4日か5日に1件、起きなかった事故を作る。それが令和8年度の磐田に置かれている宿題です。
よくある質問
Q. 2026年の秋の交通安全運動は、いつからいつまでですか。磐田市では何がありますか。
令和8年秋の全国交通安全運動は、2026年9月21日(月曜)から9月30日(水曜)までの10日間です。令和8年7月1日の中央交通安全対策会議 交通対策本部で決定されました。磐田市は運動の3日前にあたる9月18日(金曜)に、市内一斉街頭キャンペーンを行うと公表しています。9月30日は「交通事故死ゼロを目指す日」です(2026年8月27日確認)。
Q. 磐田市内の交通事故は、増えていますか、減っていますか。
減っています。磐田市が公表した令和7年(2025年)の市内人身事故は769件、死者2人、負傷者993人で、令和6年の904件・死者9人・負傷者1,117人から135件減りました。平成28年(2016年)の1,500件と比べると48.7%減で、過去10年で最少です。ただし令和7年に亡くなった2人は、どちらも高齢者でした。
Q. 磐田では、どんな事故が多いのですか。
追突と出会い頭です。令和7年の769件のうち、追突が286件(37.2%)、出会い頭が267件(34.7%)で、2つ合わせて553件、全体の71.9%を占めます。交差点内で起きた事故は332件で43.2%。磐田警察署と交通安全協会磐田地区支部の「令和7年 交通事故のあらまし」にも「磐田市では、追突事故と出会い頭事故が多発しています!」と書かれています。
出典(2026年8月確認)
- 磐田市「交通安全活動」(ページ番号1001591、更新日2026年7月10日、2026年8月27日確認。「秋の全国交通安全運動 9月21日(月曜)~30日(水曜)の10日間 ※市内一斉街頭キャンペーン実施日 9月18日(金曜)」。令和8年度 交通安全活動推進計画の重点的な取組=子どもと高齢者の交通事故防止/自転車の交通事故防止・ヘルメット着用率の向上/交差点での交通事故防止/交通事故の発生傾向に応じた対策の実施/関係機関の情報共有。年間目標値=交通事故死者数 年間0人、人身事故発生件数 年間690件以下。2026年8月27日時点で秋の実施要綱PDFは未掲載) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/bousai_anzen/bouhan/1001591.html
- 磐田市「交通事故発生状況」および「2025年 磐田市内交通事故発生状況(令和7年1月1日〜令和7年12月31日)」(ページ番号1001590、更新日2026年3月16日、2026年8月27日確認。令和7年=人身事故769件〈前年比マイナス135件〉、死者2人〈同マイナス7人〉、負傷者993人〈同マイナス124人〉。令和6年=904件、死者9人、負傷者1,117人) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/bousai_anzen/bouhan/1001590.html
- 磐田警察署・交通安全協会磐田地区支部「令和7年 交通事故のあらまし」(2026年8月27日確認。「磐田市では、追突事故と出会い頭事故が多発しています!」。事故類型別=追突286件、出会い頭267件。交差点内332件、高齢者事故285件、高齢者が第1当事者216件、夜間181件、自転車71件、歩行者41件。第1当事者年齢別=65歳以上217件、50代125件、40代109件、30代103件。違反別=安全不確認212件、動静不注視110件、漫然運転82件、脇見運転82件、一時不停止74件。交番・駐在所別=豊田180件、磐田駅前106件、見付79件、御厨駅前74件〈前年比プラス10件〉、磐田南部71件。年齢層別=幼児12件〈前年7件〉、園児10件、小学生23件〈前年35件〉、中学生14件、高校生26件。10年推移=平成28年1,500件・死者11人、平成29年1,487件・6人、平成30年1,396件・2人、令和元年1,282件・2人、令和2年1,114件・9人、令和3年959件・3人、令和4年938件・3人、令和5年972件・2人、令和6年904件・9人、令和7年769件・2人。死亡事故2件=令和7年1月1日15時31分ころ 匂坂上の市道 信号のない交差点の出会い頭・軽四乗用車同乗の高齢男性、令和7年2月24日17時13分ころ 大原の市道 軽四貨物車と歩行者・歩行者の高齢男性) https://shizuankyou.jp/
- 内閣府「令和8年秋の全国交通安全運動推進要綱」(令和8年7月1日 中央交通安全対策会議 交通対策本部決定、2026年8月27日確認。運動期間=令和8年9月21日〈月〉から9月30日〈水〉までの10日間。交通事故死ゼロを目指す日=9月30日〈水〉。全国重点=歩行者の安全確保と反射材用品の着用促進/夕暮れ時の早めのライト点灯と飲酒運転や「ながらスマホ」の根絶/自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底。「交通事故死者数全体を状態別で見ると,歩行中の割合が最も高く,その中でも高齢者の割合が約7割を占めているほか,特に秋口から年末にかけて夜間における歩行中の交通事故による死者数が多くなっている。」) https://www8.cao.go.jp/koutu/keihatsu/undou/r08_aki/youkou.html
- 静岡県「令和8年 秋の全国交通安全運動実施要綱」および令和8年度交通安全運動基本方針(2026年8月27日確認。運動の重点は全国重点3項目に加え「各市町交通安全対策協議会等が決定する事項」。統一主要行事=9月18日〈金〉運動事前広報・街頭指導の日、9月24日〈木〉夕暮れ時と夜間の交通事故防止の日〈ピカッと作戦!〉、9月30日〈水〉交通事故死ゼロを目指す日。スローガン「安全を つなげて広げて 事故ゼロへ」。「令和8年9月1日から、生活道路において、法定速度が30キロメートル毎時に引き下げられることに対する広報啓発の推進」「令和8年4月1日に施行の自転車等の軽車両に対する交通反則通告制度の周知及び定着化」) https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/bosaikotsh/kotsuanzennet/1052380.html
- 静岡県警察本部 交通部交通企画課「令和7年12月末の交通事故統計」(2026年8月27日確認。静岡県全体=人身事故16,511件、死者72人、負傷者20,605人。市区町別で磐田市=件数769、死者2、傷者993) https://police.shizuoka.dsvc.jp/files/trafficdb/202512.pdf
- 本連載の既報:磐田の始業式と旗の立たない25日間(記事0247)、お盆に帰った実家で親の運転をどう話題にするか(記事0231)、自転車を安全に利用できる道路環境とは(記事0162)、車を運転できない人の移動を地域でどう支えるか(記事0158)
※本文の「1日2.1件」「1日0.91件」「71.9%」「48.7%」「4.6日に1件」は、いずれも公表値を令和7年の365日または769件で割った筆者の概算です。交通安全運動の期間、街頭キャンペーンの実施日・場所・時間、重点項目は変更される場合があります。磐田市独自の秋の重点は、2026年8月27日時点で未公表です(市サイトに秋の実施要綱PDFが未掲載のため)。生活道路の法定速度の引き下げについて、対象となる道路の具体的な条件は本稿では確認していません。ご自身の生活圏の道路については静岡県警察および磐田市の案内でご確認ください。幼児の事故が令和6年の7件から令和7年の12件へ増えた理由は、公表資料からは確認できませんでした。統計は集計時点により修正されることがあります。
