Q. 給食費、4月から無償になったんですよね。うちはまだ引き落としがあるんですが。

国の仕組みは「無償化」ではなく「抜本的な負担軽減」です。対象は公立小学校で、基準額は児童1人あたり月5,200円、年11か月分。磐田市は国・県の支援に交付金を上乗せして小学校を0円にしていますが、中学校は対象外で1食344円のままです。引き落としがあるなら中学生の分です。

導入——今日、磐田で最初に2学期が始まったのは中学校です

磐田市の令和8年度の日程では、2学期の始業式は8月25日が1校(福田中学校)、8月26日が2校、8月27日が22校、8月31日が2校、9月1日が3校です。市立の小学校20校と中学校10校、合わせて30校の日程になります。

つまり今日、磐田でいちばん早く2学期に入ったのは中学校でした。そして今回の給食費の負担軽減で、中学校は対象に入っていません。

私は磐田市で小さな不動産業をしています。給食の専門家ではありません。それでも、家計の相談を受ける仕事をしていると、月に何円が口座から出ていくかという話は、必ずどこかで出てきます。この記事では、国がいくら出しているのか、磐田でいくら払うのかの2つを、金額で書き分けます。

まず、事実を整理する——国は「無償化」という言葉をやめました

文部科学省のページによると、令和8年(2026年)4月から始まったのは「学校給食費の抜本的な負担軽減」です。ページには、こう書かれています。「これまで使われていた『いわゆる給食費無償化』との表現については、制度趣旨をより的確に表現できるよう『学校給食費の抜本的な負担軽減』となりました」。

言葉を変えた理由も明記されています。「『給食無償化』との表現が完全無償のイメージにつながることで、独自に学校給食の質を向上させたい地方自治体の財政負担の増加を招いたり、逆に財政負担を抑えたい地方自治体で学校給食の質の低下を招いたりすることが懸念される」から、というものです。

中身を数字で押さえます。対象は公立小学校の児童(義務教育学校前期課程と特別支援学校小学部を含む)。基準額は完全給食で児童1人・1か月あたり5,200円、特別支援学校小学部は6,200円。補食給食は4,800円、ミルク給食は1,200円です。財源は令和8年度予算で創設された「給食費負担軽減交付金」です。

そして注記が2つあります。1つは「年間では、11か月分の支援となります」。12か月分ではありません。5,200円で計算すると年57,200円です。もう1つは、食材費が基準額を超える場合、「基準額を超える部分については、学校給食法に基づき、引き続き保護者から学校給食費を徴収することが可能です」。

保護者の手続きは原則不要です。個人にお金を配る仕組みではなく、自治体が食材を買う経費を支援する仕組みだからです。ただし文部科学省は、重度のアレルギーなどで給食を食べられない児童への支援を行う自治体があり、その支援を受ける場合は個別の手続きが必要だと書いています。

磐田ではどうなっているか——小学校は0円、中学校は1食344円

磐田市の「給食費」のページ(ページ番号1010586、更新日2026年5月1日)に、はっきりと書かれています。国・県の支援と「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用することで、公立小学校の学校給食費の保護者負担額は0円です。

同じページの次の行に、中学校のことが書いてあります。公立中学校は同じ交付金を活用して、1食あたりの保護者負担額は344円。牛乳を飲まない場合は274円、牛乳のみの場合は71円です。牛乳欠食はアレルギー等の場合に限られ、申請書の提出が必要とされています。

月々の給食費は「月の給食実施回数×1食単価」で、給食実施月の原則翌月20日に口座振替されます。磐田市が示す目安金額(給食回数が一番多い学校で計算)は、4月分5,160円、5月分5,848円、6月分7,568円、7月分4,472円、8・9月分7,224円、10月分7,224円、11月分6,536円、12月分5,504円、1月分5,160円、2・3月分10,664円。合計すると年65,360円、給食回数にして190回分です。

2学期にあたる4回の引き落としを足します。8・9月分7,224円(10月20日振替)、10月分7,224円(11月20日振替)、11月分6,536円(12月21日振替)、12月分5,504円(1月20日振替)。合計26,488円です。中学生が2人いれば52,976円になります。

国が支援する学校給食費の基準額と、磐田市で実際に保護者が払う額を並べた表。国の基準額は公立小学校の児童1人あたり月5,200円で、年11か月分の57,200円。完全給食の場合で、特別支援学校小学部は6,200円。磐田市の公立小学校は保護者負担0円で、国と県の支援に物価高騰対応の臨時交付金を活用している。磐田市の公立中学校は1食344円で、年65,360円・190回分。国の負担軽減は小学校が対象で、中学校は臨時交付金のみ。中学校の牛乳欠食はアレルギー等の場合で1食274円、牛乳のみ飲用は71円、申請書の提出が必要。
図1 文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」と磐田市「給食費」(ページ番号1010586、更新日2026年5月1日)から作成(2026年8月25日確認)。年57,200円と年65,360円・190回は筆者の計算です。

数えてみる——1食に割り戻すと、301円と344円

私は不動産屋なので、数字は割り戻して見る癖がついています。国の基準額を1食あたりに直してみます。以下は筆者のごく粗い概算です。

国の基準額は月5,200円で年11か月分、つまり年57,200円。これを磐田の中学校の年間給食回数190回で割ると、1食あたり301円になります。磐田の中学校で実際に保護者が払っているのは1食344円。差は43円です。

もちろん、国の基準額は小学校向けで、中学校は対象外です。だから単純な比較ではありません。それでも1食43円の差は、190回で年8,160円になります。これが「基準額を超える部分は徴収できる」という一文の実物です。

もう一つ。磐田市のページには、小学校の1食単価が書かれていません。私が2026年8月25日に見た限り、載っているのは中学校の344円だけです。だから磐田の小学生1人につき年いくらが軽くなったのかは、市の公表資料からは分かりません。国の基準額から推せば年57,200円前後ですが、これは推測です。ここは未確認と書いておきます。

磐田市の公立中学校の学校給食費の口座振替日と目安金額を並べた棒グラフ。8月・9月分は10月20日(火曜)に7,224円、10月分は11月20日(金曜)に7,224円、11月分は12月21日(月曜)に6,536円、12月分は1月20日(水曜)に5,504円で、2学期分の合計は26,488円。1月分は2月22日(月曜)に5,160円、2月・3月分は3月23日(火曜)に10,664円。金額は月の給食実施回数に1食単価344円を掛けたもので、給食回数が一番多い学校での目安。磐田市の公立小学校は保護者負担0円のため、引き落としがある家は中学生分か、給食費以外の学校徴収金。
図2 磐田市「給食費」掲載の目安金額から作成(2026年8月25日確認)。市は「目安金額は、各月で給食回数が一番多い学校の1食単価(344円)で金額を示しています」と注記しています。学校によって金額は変わります。

評価——良い点と、注文したい点

良いと思った点を、先に3つ数えます。

一つめ。磐田市が、小学校を0円まで持っていったこと。国の基準額は5,200円で、それを超える分は徴収できる仕組みです。磐田市は国・県の支援に交付金を重ねて、超える分を保護者に回しませんでした。「できる」と書かれていることをやらない判断には、財源が要ります。そこは素直に評価します。

二つめ。中学校にも交付金を回したこと。中学校は今回の国の仕組みの対象外です。それでも磐田市は物価高騰対応の交付金を使って、1食344円という水準を出しています。対象外だから何もしない、にはなっていません。

三つめ。給食の停止のルールを、はっきり書いてあること。市のページには、病気やけがで連続4日以上食べないと分かっている場合は事前の申し出で停止でき、申し出た日から4日目以降が返金対象と書かれています。3日目までは食材のキャンセルができないため徴収する、という理由まで書いてある。断る理由を書いてある案内は、信用できます。

そのうえで、注文を2つ。私は市を動かす側ではありません。磐田で商売をしている一事業者の要望として読んでください。

1つ。小学校の1食単価も併記してほしい。0円という数字だけでは、いくらぶんが公費で賄われているのかが見えません。中学校の344円は書いてあるのですから、小学校も「1食◯円、年◯円相当」を1行足すだけです。金額が見えて初めて、この事業の値打ちが伝わります。0円は、ただの0ではありません。

2つ。来年度の見通しを、早めに一言ほしい。磐田市の0円は、国・県の支援と「物価高騰対応」の臨時交付金の組み合わせで成り立っています。臨時交付金は、名前のとおり臨時のものです。令和9年度も同じ形が続くのかどうか、私には読み切れていません。家計の側は、続く前提で予算を組みます。だから、続かないかもしれないなら早いほうがいい。年度末の通知で知るのがいちばん困ります。

ここは私の考えです——「無償化」という言葉が、いちばん働きすぎた

ここから先は事実ではなく、私の考えです。この件で受けた相談の場面が手元にないので、体験ではなく意見として書きます。

今回いちばん意外だったのは、文部科学省が自分から「無償化」という言葉を下ろしたことです。しかも理由が、質の低下を招きかねないから、と書いてある。言葉が制度の中身を追い越すと、現場が引きずられる——という自覚が、行政の側から出ている。私はこれを珍しいことだと思いました。

私の商売でも、言葉が働きすぎる場面があります。「相続登記が義務化されたので、すぐに手続きしないと過料です」。間違いではありませんが、その一行だけが伝わると、遺産分割の話し合いが済んでいない家まで慌てます。強い言葉は、いちばん急がなくていい人を急がせます。

給食費で言えば、「無償になった」という言葉が働きすぎると、中学生の親が肩身の狭い思いをします。磐田で「無償ではない」のは、小学校ではなく中学校です。2学期の4回で26,488円。子ども2人なら5万円を超える。これは、けっして小さくない額です。

対案・結論——今日できる確認は、3つ

一つめ。通帳の4月から7月を見てください。小学生だけの家なら、給食費の引き落としが止まっているはずです。止まっていなければ、それは中学生の分か、別の学校徴収金です。止まったのは4月分(5月20日振替)からです。

二つめ。中学生がいる家は、10月20日の7,224円を先に書き込んでください。2学期の1回目です。そのあと11月20日に7,224円、12月21日に6,536円、1月20日に5,504円。4回で26,488円。金額が分かっていれば、驚かずに済みます。

三つめ。4日以上続けて給食を止める予定があるなら、決まった日に学校へ伝えてください。申し出た日から3日目までは食材のキャンセルができないため徴収されます。返金の対象になるのは4日目からです。再開のときも調整が要るので、早めの相談が要ります。

今日、結論を出す必要はありません。今日の成果は、「うちは何円払う家なのか」がはっきりした状態です。問い合わせ先は、磐田市教育部 教育総務課 学校給食室(磐田市国府台3-1 西庁舎3階、電話0538-37-4780)です。

最後に一言。

夏休みのあいだ、磐田では給食のない日が7月17日から8月27日まで続きました。ひと月と10日。その台所の負担が、今週ようやく学校に戻ります。私は不動産の仕事で、いろいろな家の台所を見ます。あとまわしになりやすい場所です。給食が戻る週というのは、そういう家にとって、静かに助かる週です。

だから、小学校を0円にした判断そのものは、家計の側から見て意味があります。ただ、0円は誰かが払っている0円です。その誰かが臨時の交付金であるうちは、来年の同じ月がどうなるかは決まっていません。そこを黙って通り過ぎないでほしい、というのが、一事業者としての私の要望です。

よくある質問

Q. 学校給食費の無償化で、国はいくら出しているのですか。

文部科学省によると、令和8年4月に始まったのは「学校給食費の抜本的な負担軽減」で、公立小学校の児童1人あたりの基準額は完全給食で月5,200円(特別支援学校小学部は6,200円)です。補食給食は4,800円、ミルク給食は1,200円。支援は年間11か月分で、12か月分ではありません。食材費が基準額を超える部分は、学校給食法に基づき保護者から徴収できます。

Q. 磐田市の給食費は、いま実際にいくらですか。

磐田市のページ(更新日2026年5月1日)によると、国と県の支援に加えて物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用することで、公立小学校の学校給食費の保護者負担額は0円です。公立中学校は同じ交付金を活用して1食344円。牛乳を飲まない場合は274円、牛乳のみの場合は71円です。牛乳欠食はアレルギー等の場合に限られ、申請書の提出が必要です(2026年8月25日確認)。

Q. 磐田市の中学校の給食費は、2学期にいくら引き落とされますか。

磐田市が示す目安金額は、8月・9月分が7,224円(10月20日振替)、10月分が7,224円(11月20日振替)、11月分が6,536円(12月21日振替)、12月分が5,504円(1月20日振替)です。合計26,488円。金額は「月の給食実施回数×1食単価344円」で、給食実施月の原則翌月20日に口座振替されます。目安金額は給食回数が一番多い学校で計算されています。

著者・大石浩之の顔写真

大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市で小さな不動産業を営み、実家じまい・空き家・相続・介護にからむご相談を一件ずつ受けています。 理念より、家計と段取りで考えます。 プロフィール

出典(2026年8月確認)

  • 文部科学省「学校給食費の抜本的な負担軽減」(文部科学省の担当課は健康教育・食育課、2026年8月25日確認。「令和8年(2026年)4月から『学校給食費の抜本的な負担軽減』がスタートします」「これまで使われていた『いわゆる給食費無償化』との表現については、制度趣旨をより的確に表現できるよう『学校給食費の抜本的な負担軽減』となりました」。対象は公立小学校〈義務教育学校前期課程および特別支援学校小学部を含む〉の児童の学校給食に必要な食材費。基準額は完全給食で小学校・義務教育学校前期課程5,200円/特別支援学校小学部6,200円、補食給食4,800円/5,800円、ミルク給食1,200円/1,200円。「年間では、11か月分の支援となります」。「基準額を超える部分については、学校給食法に基づき、引き続き保護者から学校給食費を徴収することが可能です」「そのため、地方自治体によっては、保護者負担が生じる場合があります」。手続きは原則不要だが「重度のアレルギーなど、学校給食を食べられない児童への支援を行う地方自治体があり、その支援を受ける場合は個別の手続が必要」。表現を変えた理由として「『給食無償化』との表現が完全無償のイメージにつながることで、独自に学校給食の質を向上させたい地方自治体の財政負担の増加を招いたり、逆に財政負担を抑えたい地方自治体で学校給食の質の低下を招いたりすることが懸念される」と記載。令和8年4月7日の令和8年度文部科学省当初予算で「給食費負担軽減交付金」を創設) https://www.mext.go.jp/a_menu/sports/syokuiku/kyu-lighten.html
  • 磐田市「給食費」(ページ番号1010586、更新日2026年5月1日、2026年8月25日確認。「令和8年(2026年)4月からスタートした『学校給食費の抜本的な負担軽減(国・県の支援)』と『物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金』を活用することで、公立小学校の学校給食費保護者負担額は0円となります」「公立中学校の学校給食費については、『物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金』を活用することで、1食あたりの保護者負担額は344円となります」。1食単価=すべて喫食344円、牛乳欠食274円、牛乳のみ飲用71円。「月々の学校給食費は『月の給食実施回数×1食単価』となります。給食実施月の原則翌月20日に口座振替します」。目安金額=4月分5,160円〈5/20振替〉、5月分5,848円〈6/22〉、6月分7,568円〈7/21〉、7月分4,472円〈8/20〉、8・9月分7,224円〈10/20〉、10月分7,224円〈11/20〉、11月分6,536円〈12/21〉、12月分5,504円〈1/20〉、1月分5,160円〈2/22〉、2・3月分10,664円〈3/23〉。「病気やけが等の理由により連続して4日以上給食を食べないことが予め分かっている場合、事前の申し出により給食を停止することができます。その場合、申し出があった日から数えて4日目以降が返金対象となります」。情報発信元=教育部 教育総務課 学校給食室、磐田市国府台3-1 西庁舎3階、電話0538-37-4780、ファクス0538-36-1517) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kosodate_kyouiku/kyuushoku/1010586.html
  • 本連載の既報:磐田市が公表した令和8年度の学期日程(2学期の始業式は8月25日が1校〈福田中学校〉、8月26日が2校、8月27日が22校、8月31日が2校、9月1日が3校。市立小学校20校・中学校10校)と夏休みの食の支援(記事0222)、米価と磐田の給食(記事0228)、9月に始まる地域クラブと月2,000円(記事0236)、2学期の始業日と通学路(記事0247)

※本文中の「年57,200円」「年65,360円」「190回」「1食301円」「差43円」「年8,160円」「2学期の合計26,488円」は、文部科学省の基準額と磐田市が公表した目安金額から筆者が計算したごく粗い概算です。目安金額は磐田市が「各月で給食回数が一番多い学校の1食単価(344円)で金額を示しています」と注記しているとおり、学校によって金額は変わります。国の基準額は公立小学校向けであり、中学校との比較は規模をつかむための便宜的なものです。磐田市の公立小学校の1食単価は、2026年8月25日時点で市のページに記載を見つけられませんでした(未確認)。制度・金額・振替日は変更される場合がありますので、最新の内容は文部科学省と磐田市の公式ページ、および通学先の学校からの案内でご確認ください。