Q. 静岡県の制度融資は、金利が一番低いものを選べばよいですか。
金利だけで選べません。2026年9月1日現在、固定表示の事業者負担率は1.285〜2.15%ですが、資金ごとに用途と対象要件が違います。信用保証料も別です。使途、対象、金利、保証料、返済期間の順にそろえ、総負担と月々の返済額で比べます。
2026年9月1日、静岡県の制度融資金利が改定
静岡県は2026年9月1日、「静岡県中小企業融資制度資金金利一覧表」を改定しました。表では、基準金利から県の利子補給率を引いた率が、事業者の負担する融資利率として示されています。
固定の事業者負担率が掲載された資金では、最小が1.285%以内、最大が2.15%です。経営改善資金は2.15%。小口零細企業貸付と短期経営改善資金は2.05%。経済変動対策貸付などは1.85%です。
防災・減災強化貸付と特定建築物耐震化特別貸付は、条件により1.85%以内または1.285%以内。地震リスク分散資金は1.65%以内です。成長産業分野支援資金は固定率ではなく、金融機関所定金利から県の利子補給率を引く形です。
一部の保証制度では、一覧の基準金利と融資利率から各0.1ポイント低くなる場合があります。どの事業者にも自動で適用される値ではないため、見積もり前の参考値として扱います。
最低1.285%は、誰でも使える金利ではない
事業者負担率1.285%以内は、防災・減災強化貸付などの一部条件に置かれた率であり、一般的な運転資金の最安値ではありません。防災・減災強化貸付は、耐震改修、浸水防止、事業継続計画の実施などを行う事業者が対象です。
同貸付は原則として県内で1年以上同一事業を営む要件があり、期間は10年以内、限度額は1億円。信用保証料は普通保証で0.30〜1.30%などです。1.285%という数字だけを見て、通常の仕入れ資金へ使えるとは限りません。
特定建築物耐震化特別貸付も1.285%以内の表示がありますが、対象は所定規模の特定建築物の耐震診断、改修、建て替えです。期間15年以内、限度額10億円という大型設備向けの設計です。
意外なのは、金利差より先に、入口の用途で候補がほぼ決まることです。「最安を選ぶ」のではなく、「自社の支出がどの資金に当たるか」を確認するのが先です。
運転資金・創業・設備投資を同じ列で比べない
静岡県制度融資は、日常の運転資金、売上減少時の資金、創業資金、設備投資を別の目的で組み立てています。目的が違う資金を金利順だけに並べると、利用できない低金利が上位に来ます。
経営改善資金は原則1年以上同一事業を営む県内中小事業者が対象で、10年以内、5,000万円、事業者負担2.15%。小口零細企業貸付は従業員規模の要件があり、10年以内、既存の保証残高と合計2,000万円、2.05%です。
売上減少、原材料高、利益率低下などの所定要件を満たす場合、経済変動対策貸付は10年以内、5,000万円、1.85%。開業パワーアップ支援資金は県内創業予定者や創業後5年未満などが対象で、10年以内、3,500万円、1.85%以内です。
本気で創業する人は、創業塾から始めないでは、登録免許税の軽減や創業関連保証を使う順番を書きました。創業時は金利表だけでなく、開業前に使えるか、自己資金と保証枠をどう組むかが先です。
それでも創業塾をやらなければならない理由では、保証限度額3,500万円や経営者保証を扱っています。融資利率と、誰がどこまで責任を負うかは別の話です。
信用保証料を足さない比較は、半分しか見ていない
静岡県制度融資の金利一覧に、信用保証料は含まれていません。保証料率は経営状況の区分、利用する保証制度、資金の種類などで変わります。普通保証で0.30〜1.30%と幅がある資金もあります。
金利が低い順に選ぶのは雑。保証料と返済期間まで表に出して、初めて比較になる。一言メモは空欄だったため、数字を自分の商売感覚へ翻訳する原則を選びました。
私は磐田で小さな事業を営む側として、月々いくら出ていくかで見ます。ただし、体験ストックに制度融資を使った具体的な借入事例はありません。ここは相談実話ではなく、一事業者としての判断です。
保証料の支払時期、据置期間、元金均等か元利均等か、繰上返済時の扱いでも資金繰りは変わります。金利が0.2ポイント低くても、返済期間が短く月額が大きければ、運転資金を圧迫する場合があります。
私は、固定金利の安心をどこまで買うか迷います。将来の支払額が読める利点はあります。一方、借入期間、投資回収の速さ、借り換えの可能性まで見なければ、固定という言葉だけでは決められません。
良い点は利子補給、注文は一枚で比べられる表示
静岡県の制度融資で良い点は、基準金利、県の利子補給率、事業者負担率を同じ表で分けていることです。県がどこまで負担し、事業者が何%を支払うかを追えます。使途別に複数の資金があることも、設備投資や売上減少に合わせやすい設計です。
中小企業の人手不足を地域全体でどう支えるかで書いたように、人を採る話と生産性を上げる投資は切り離せません。省力化設備の購入を考える事業者に、用途別の融資枠があることは評価できます。
その上で、県へ注文したいのは、融資利率と信用保証料、期間、限度額を一枚で横断比較できる表示です。現在は金利一覧、案内冊子、保証料率一覧を行き来します。初めて借りる小さな事業者ほど、数字の意味を取り違えやすい。
行政に一つの総支払額を断定してほしいわけではありません。審査や返済方法で変わるからです。少なくとも「金利以外に見る欄」と、金融機関へ聞く質問例を金利表の横へ置いてほしい。これは一事業者からの要望です。
1,000万円なら、0.865ポイント差は年8万6,500円
借入残高1,000万円が1年間変わらない単純計算では、年1.285%の利息は12万8,500円、年2.15%は21万5,000円です。差は年8万6,500円。数字を商売へ戻すと、月あたり約7,208円です。
実際の返済では元金が減るため、毎年この差が続くわけではありません。返済方法、借入日、据置期間でも変わります。この計算は金利差の大きさを見るだけの概算です。
月7,208円を小さいと見るかは業種で違います。通信費、会計ソフト、車両費の一部にはなります。ただし、低い金利を使うために目的外の借入へ寄せる話ではありません。対象要件を満たす投資かどうかが先です。
静岡県最低賃金1,154円と設備投資の記事では、賃上げと省力化を同じ収支で考えました。設備を借入で入れるなら、削減できる作業時間と毎月返済額を同じ月次表へ置きます。
磐田の事業者が今日そろえる5つ
磐田市内の事業者は、金融機関へ相談する前に、使途、必要額、支払日、回収時期、返済原資の5つを一枚に書きます。設備なら見積書、運転資金なら仕入れと入金の時期、売上減少なら比較する月を添えます。
次に、候補の資金ごとに対象要件、事業者負担率、保証料、期間、限度額を並べます。取扱金融機関、静岡県信用保証協会、磐田商工会議所や磐田市商工会などへ、同じ資料を持って相談します。
最後に一言。1.285%は目を引きます。しかし、借りられない低金利は比較対象になりません。借りられる資金の中で、保証料と返済期間を足し、投資が毎月いくらを生むかまで見る。制度融資は「一番安い札」を探す作業ではなく、商売を止めない返済計画を作る作業です。
よくある質問
Q. 静岡県制度融資の1.285%は誰でも利用できますか。
誰でも選べる一律の金利ではありません。1.285%以内は、防災・減災強化貸付や特定建築物耐震化特別貸付の一部条件で示された事業者負担率です。対象となる設備、計画、事業歴などの要件を満たす必要があります。利用可否は取扱金融機関などへ確認します。
Q. 表示された融資利率に信用保証料は含まれますか。
金利一覧の事業者負担率に信用保証料は含まれません。保証料率は資金名だけで決まらず、経営状況の区分や利用する保証制度で変わります。金利、保証料、据置期間、返済期間、繰上返済条件を同じ見積書にそろえて、総負担と月々の返済額を比べます。
Q. 磐田市内の事業者はどこへ相談し、何を準備しますか。
取扱金融機関、静岡県信用保証協会、商工会議所・商工会などが確認先です。使途と必要額、見積書、直近の決算書、資金繰り表、返済原資の説明を用意します。対象要件や必要書類は資金ごとに違うため、申込前に静岡県の2026年9月1日金利表と案内冊子を照合します。
出典(2026年9月確認)
- 静岡県「中小企業向け制度融資 概要」(2026年9月2日確認。ページ内の2026年9月1日金利一覧、2026年度案内冊子、信用保証料率一覧を確認)
※金利は2026年9月1日現在です。対象・期間・限度額は県が掲載する2026年4月1日現在の案内冊子を参照しました。融資利率、信用保証料、利用可否、必要書類は資金区分、保証制度、審査、金融機関の条件で変わります。本文の1,000万円比較は残高が1年間変わらない単純計算で、実際の返済総額ではありません。借入判断は取扱金融機関、静岡県信用保証協会、税理士などへご確認ください。
