Q. 磐田の敬老会って、今年はいつあるんですか。
市が一律の日を決めていないため、地区ごとに違います。磐田市の「高齢者福祉事業」のページは「各地域で敬老会などが開催されます」と書くだけで、日程の一覧は載っていません(2026年8月30日確認)。2026年の老人の日は9月15日、敬老の日は9月21日。日程は地区の案内か広報いわた9月号でご確認ください。
導入——「敬老会はいつ?」に、市のページは日付で答えていない
磐田市のウェブサイトには、敬老会の日程一覧がありません。「高齢者福祉事業」のページ(ページ番号1001978、更新日2026年4月1日、2026年8月30日確認)に書かれているのは、「磐田市では、老人の日及び老人週間には、『広く老人福祉についての関心と理解を求めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す』ことを目的として、各地域で敬老会などが開催されます。」という1文だけです。日付はどこにも出てきません。
2026年の暦を先に置いておきます。老人の日は9月15日(火曜)、老人週間は9月15日から21日まで、敬老の日は9月21日(月曜)です。市の説明にある「老人の日及び老人週間」は、この1週間を指しています。ただし、地区の敬老会がこの週に開かれるとは限りません。市が日を決めていない以上、前後の土日にずれることも当然あります。
私は磐田で不動産の仕事をしていて、実家じまいや親との同居の相談を受けます。そこで「地区の行事はどうなっていますか」と聞かれることがあります。離れて暮らす子の側は、敬老会の日に合わせて帰省したい。同居している家族は、送り迎えの段取りを組みたい。日付が分からないと、どちらも動けません。
この記事では、市が敬老会について何を書き、何を書いていないのかを確かめます。あわせて、お金がどう流れているのかと、市の予算書に「敬老」という語が何回出てくるかまで見ます。
まず、事実を整理する——市が書いているのは、2つの段落だけ
磐田市の「高齢者福祉事業」のページは、本文が2つの段落と、長寿祝金の案内だけでできています。1つ目の段落は「少子高齢化が進み、社会構成が大きく変化する中で、高齢者のニーズに沿った新たな事業を地域で企画・実施するため、高齢者福祉事業に係る経費を一括交付金の一部として各地域に交付しています。」。2つ目が、先ほどの敬老会の1文です。ページの所管は健康福祉部の高齢者支援課給付グループです。
ここで押さえておきたいのは、実施主体が書かれていないことです。「各地域で敬老会などが開催されます」という受け身の書き方で、誰が主催しているのかは明示されていません。自治会なのか、地区の協議会なのか、地区の社会福祉協議会なのか。市のページからは特定できません(2026年8月30日確認)。読める範囲で確かなのは、市が企画・実施しているとは書いていない、ということだけです。
長寿祝金のほうは、対象がはっきり書かれています。「その年度内に88歳、100歳、108歳になられる方に祝金を贈り、長寿をお祝いします。」そして「※77歳(喜寿)の方への祝金の支給は令和7年度をもちまして終了させていただきました。」この注記が残っていることは、本連載で2026年8月に取り上げました。
つまり、磐田市が高齢者へ直接お祝いを届ける仕組みは長寿祝金であり、敬老会は「各地域で開催されるもの」として、市の側から一段離れた位置に置かれています。
予算書に「敬老」は1度も出てこない
磐田市の令和8年度当初予算説明資料(全248ページ)を全文検索したところ、「敬老」という語は1件も見つかりませんでした(2026年8月30日確認)。「高齢者福祉事業」も「老人の日」も「老人週間」も、同じく0件です。長寿祝金は載っています。老人福祉費のなかに「12 長寿祝金事業」があり、「長寿祝金(88歳、100歳、108歳)7,870千円」と書かれています。
これは、敬老会が市の事務事業として立てられていないということです。私は最初、探し方が悪いのだろうと思いました。3回検索し直しました。それでも出てきません。磐田市の予算のなかに、「敬老会」という名前の項目は存在しません。
代わりにあるのが、一括交付金です。自治デザイン課の「小規模多機能自治推進事業」に、「地域づくり応援一括交付金 118,856千円」「地域づくり推進事業費補助金 1,450千円」が計上され、当初予算額は121,662千円(令和7年度119,372千円)。説明欄には「自治会などの基礎的コミュニティより広範囲の概ね小学校区域等において、その区域内に住み、又は活動する個人、地縁型・属性型・目的型などのあらゆる団体等により…」とあります。
高齢者福祉事業のページが言う「一括交付金の一部として各地域に交付しています」は、この交付金のことだと読めます。使い道を市が細かく決めない形でお金を渡し、何をやるかは地域が決める。敬老会は、その地域が決めたことのひとつ、という構造になっています。
数字で見る——49,092人、300自治会、1億1,885万6,000円
磐田市の65歳以上は49,092人です。市の年齢別人口表(令和8年7月末現在、更新日2026年8月17日)の5歳階級の数字を合算した値で、総人口163,224人に対して30.08%にあたります。市が高齢化率として公表している数値ではなく、私の計算です。88歳は905人、100歳以上は158人でした。
受け皿の側の数も見ます。磐田市には300の自治会があり、5支部・29地区で構成されています(市の自治会一覧、更新日2025年3月5日)。磐田支部は見付、中泉、天竜、長野、於保、大藤、向笠、岩田、西貝、御厨、南御厨、田原、今之浦。福田支部は福田中、福田南、西部、北部、豊浜。竜洋支部は西、東、北。豊田支部は富岡、豊田東、池田、井通、青城。豊岡支部は北、南、東。この29地区が、それぞれの判断で敬老会の日を決めていることになります。
お金を割り戻します。地域づくり応援一括交付金118,856千円を、磐田市の総人口163,224人で割ると、市民1人あたり728円。29の地区で単純に割ると1地区あたり約409万8,000円、300の自治会で割ると1自治会あたり約39万6,000円です。もっとも、この交付金は敬老会だけのものではありません。防災、環境美化、青少年育成、交流会まで含めた地域活動全体の原資で、高齢者福祉事業はその一部です。実際の配分は人口や事情で変わるはずで、この割り算はあくまで規模感をつかむためのものです。
比較のために、長寿祝金も置いておきます。令和8年度の長寿祝金事業の当初予算額は9,079千円で、令和7年度の24,126千円から15,047千円減りました。62.4%の減です。喜寿77歳への支給が令和7年度で終わったためです。減った1,504万7,000円を市内の65歳以上49,092人で割ると、1人あたり307円になります。
この構図は、9月6日の総合防災訓練とまったく同じです。市が日を決め、実施主体は各自治会。終了時間も自治会の判断。磐田では、地域に委ねる形が防災でも高齢者福祉でも共通しています。
評価——良い点を3つ、注文したい点を3つ
まず、良い点を3つ数えます。ひとつ目。お金の出し方を、隠さず1文で書いていることです。「高齢者福祉事業に係る経費を一括交付金の一部として各地域に交付しています」。使途を市が細かく指定しない交付の仕方は、説明の難しい形です。それを、ぼかさずに書いている。市が全部やっているように見せかけていないところを、私は評価します。
ふたつ目。「地域で企画・実施するため」という目的を、先に置いていることです。お金を渡す理由が、財政の都合ではなく「高齢者のニーズに沿った新たな事業を地域で企画・実施するため」と書かれている。地域ごとに事情が違うのは事実で、市が一律の日と一律の内容を決めるほうが実態に合わない場面は確かにあります。
みっつ目。老人の日と老人週間の目的を、法の言葉のまま引用符つきで載せていることです。「広く老人福祉についての関心と理解を求めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す」。市の言葉に言い換えず、原文を出している。なぜ9月のこの週なのかが、この1文で分かります。
そのうえで、一事業者として注文を3つ書きます。ひとつ目。「各地域」が誰なのかを、一言でいいから書いてほしい。自治会か、地区の協議会か、地区の社会福祉協議会か。問い合わせ先が分からないと、市民は「聞く相手を探す」ところから始めることになります。市に電話をしても日程は分からず、では誰に聞けばいいのかも分からない。この一往復は、1行で消せます。
ふたつ目。9月の1か月だけでいいので、地区ごとの開催日を集約したページを置いてほしい。29地区が自分で決めた日を市が集めるのは、地域の側にも手間が生まれます。だから「全部を必ず載せろ」とは言いません。出せる地区の分だけでも並べば、離れて住む子は帰省の日を決められます。実家じまいの相談で、私は「親御さんが地域とどうつながっているか」を必ず聞きます。年に一度、地区の人と顔を合わせる日があるかどうかは、判断の材料になります。
みっつ目。「この行事は各地域が企画・実施しています」という説明を、高齢者福祉事業のページに足してほしい。予算書に「敬老」の語が1件もないことを、私は責めているのではありません。地域に委ねる形そのものには理があります。ただ、市民の側からは「市の事業ではない」ことが分かる場所がどこにもない。だから市役所に電話が行き、そこで答えられない。書いていないことが、職員の手間にもなっています。
対案・結論——今日できる確認
結論を先に書きます。磐田市の敬老会は、市が日を決める行事ではありません。地区ごとに日が違い、市のページに一覧はありません。そのうえで、今日できる確認を3つ挙げます。
第一に、玄関に届いた回覧と、近所の掲示板を見てください。地区が決めた行事の案内は、市のサイトより先にそこへ出ます。9月の敬老会なら、8月末から9月初めに動きが出る時期です。紙をためこんでいるご家庭ほど、案内は下のほうに埋まっています。
第二に、見つからなければ、お住まいの地区の自治会長か組長に聞いてください。市の高齢者支援課給付グループ(電話0538-37-4869)は長寿祝金の窓口で、地区ごとの敬老会の日程を持っているとは限りません。これは私の推測ですが、市が日を決めていない以上、市に一覧がある可能性は低いと考えています。聞く相手を先に間違えると、それだけで数日が流れます。
第三に、広報いわた9月号を確かめてください。紙とウェブの両方で出ます。地区の行事が載る場所として、市のサイトの事業ページよりこちらのほうが可能性があります。あわせて、離れて暮らすご家族は、敬老の日の9月21日(月曜)を軸に予定を組んでおくと動きやすい。前後の土日にずれる地区もあるので、確定は地区の案内を待つことになります。
最後に一言。体験ストックに該当する記録がないので、ここからは私の意見として書きます。「市がやらない」ことを、私はまだ悪いことだと決めきれていません。会場も、送迎の道順も、誰が来られて誰が来られないかも、地域のほうがよく知っています。市が一律の日と一律の内容を決めれば、かえって回らない地区が出る。地域に委ねる形には、確かに理があります。
それでも、私が気になっているのは、消え方です。市の事業なら、やめるときに議会と予算書を通ります。予算が減れば数字が残り、記事にもなる。ところが地域の行事は、担い手が足りなくなった年に、誰にも知られないまま静かに消えます。予算書に「敬老」の語が1つもないということは、それがいつ消えたかを後から確かめる手立ても、市の側には残らないということです。
一事業者として望むのは、廃止を止めることではありません。29地区のうち今年どこが開いたのかを、市が年に一度数えておくことです。数え続けていれば、減り始めた年が分かります。行事を守るかどうかは地域が決めることで、私が口を出す話ではない。ただ、減っていることに誰も気づかないまま10年が過ぎるのは、磐田にとって損だと私は考えています。9月21日は、まだ3週間先です。
よくある質問
Q. 磐田市の敬老会は、いつ開かれますか。
市が一律の日を決めていないため、地区によって違います。磐田市「高齢者福祉事業」のページ(ページ番号1001978、更新日2026年4月1日)は「各地域で敬老会などが開催されます。」と書くだけで、日程の一覧は載っていません(2026年8月30日確認)。2026年の老人の日は9月15日(火曜)、老人週間は9月15日から21日、敬老の日は9月21日(月曜)です。
Q. 磐田市の敬老会は、市が主催しているのですか。
市のページに主催者は書かれていません。「各地域で敬老会などが開催されます」という書き方で、実施主体は明示されていません。お金については「高齢者福祉事業に係る経費を一括交付金の一部として各地域に交付しています」と説明されています。令和8年度当初予算説明資料(全248ページ)を検索しても「敬老」という語は出てきません(2026年8月30日確認)。
Q. 磐田市から、長寿のお祝い金はもらえますか。
長寿祝金があり、その年度内に88歳、100歳、108歳になる方が対象です。77歳(喜寿)への支給は令和7年度で終了しました。令和8年度当初予算説明資料によると、長寿祝金事業の当初予算額は9,079千円で、令和7年度の24,126千円から15,047千円減っています。申請や問い合わせの窓口は磐田市の高齢者支援課給付グループです。
出典(2026年8月確認)
- 磐田市「高齢者福祉事業」(ページ番号1001978、更新日2026年4月1日、2026年8月30日確認。「少子高齢化が進み、社会構成が大きく変化する中で、高齢者のニーズに沿った新たな事業を地域で企画・実施するため、高齢者福祉事業に係る経費を一括交付金の一部として各地域に交付しています。」「磐田市では、老人の日及び老人週間には、『広く老人福祉についての関心と理解を求めるとともに、老人に対し自らの生活の向上に努める意欲を促す』ことを目的として、各地域で敬老会などが開催されます。」「その年度内に88歳、100歳、108歳になられる方に祝金を贈り、長寿をお祝いします。」「※77歳(喜寿)の方への祝金の支給は令和7年度をもちまして終了させていただきました。」/情報発信元=健康福祉部 高齢者支援課 給付グループ、電話0538-37-4869) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kenkou_fukushi/koureisha_fukushi/shien/1001978.html
- 磐田市「令和8年度当初予算」の当初予算説明資料(全248ページ、2026年8月30日確認。3款1項3目 老人福祉費「12 長寿祝金事業/長寿祝金(88歳、100歳、108歳)7,870千円」、当初予算額9,079千円・令和7年度24,126千円・比較△15,047千円、所管は高齢者支援課/2款7項1目「小規模多機能自治推進事業」=地域づくり応援一括交付金118,856千円、地域づくり推進事業費補助金1,450千円、当初予算額121,662千円・令和7年度119,372千円、所管は自治デザイン課/「敬老」「高齢者福祉事業」「老人の日」「老人週間」は全文検索で0件) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/gyouzaisei/yosan/1015750.html
- 磐田市「自治会」(自治会概要・一覧、更新日2025年3月5日、2026年8月30日確認。「市内には300の自治会があり、生活の安全(自主防災活動・防犯・交通安全)、環境美化運動、青少年の健全育成、住民同士の交流会などを実施しています。」「※5支部・29地区・300自治会で構成されています。」/所管=自治市民部 自治デザイン課 地域づくり推進グループ、電話0538-37-4811) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kurashi_tetsuzuki/chiiki_kouryuu/1011755/1001672.html
- 磐田市「磐田市の人口 令和8年度」(令和8年7月末現在の年齢別人口表、更新日2026年8月17日、2026年8月30日確認。総人口163,224人。65歳以上49,092人・高齢化率30.08%・88歳905人・100歳以上158人は、5歳階級および各歳の数値からの筆者の合算) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/profile/toukei/1005583.html
- 磐田市「広報いわた」(2026年8月30日確認。地区の行事の案内先として) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/kouhou_kouchou/kouhou_iwata/index.html
- 本連載の既報:磐田市の長寿祝金、喜寿77歳への支給は令和7年度で終了(記事0280)、磐田市総合防災訓練、9月6日——自治会の備えを点検(記事0281)、磐田市の介護保険料 基準額、浜松より年3,602円安い(記事0283)、磐田市総合計画に意見を出す4つの方法(記事0277)、ウォーキングフットボールとは?磐田で9月27日に無料体験会(記事0265)
※本文の「30.08%」「1人あたり728円」「1地区あたり約409万8,000円」「1自治会あたり約39万6,000円」「62.4%の減」「1人あたり307円」および65歳以上49,092人・88歳905人・100歳以上158人の合算は、公表値をもとにした筆者の計算です。地域づくり応援一括交付金は敬老会だけの財源ではなく、地域活動全体の原資です。実際の配分は均等ではないため、割り算はあくまで規模感を示すものです。「敬老」0件は、市が公開する令和8年度当初予算説明資料のPDFを筆者が全文検索した結果で、他の予算書類・決算書類までは確認していません。敬老会の実施主体は市のページに明示がなく、自治会・地区の協議会・地区社会福祉協議会のいずれであるかは未確認です。自治会数300は更新日2025年3月5日時点の値です。開催日・内容・対象は地区によって異なり、変更される場合があります。お住まいの地区の敬老会については、地区の案内、または磐田市の担当課にご確認ください。
