Q. 磐田で子どもの相談、結局どこへ行けばいいんですか。

2024年4月にできた「こども若者家庭センター」です。場所はiプラザ2階南側で、市役所ではありません。母子保健と児童福祉を1つの所属にまとめた窓口ですが、電話は用途別に3本あります。乳幼児は0538-37-2012、いじめ・不登校などの相談は0538-37-2018、中学卒業以降の若者は0538-37-2752です。

導入——「一本化」の中身を、電話番号から確かめる

磐田市は2024年(令和6年)4月に「こども若者家庭センター」を設置しました。市は「令和6年4月にiプラザ2階南側に『こども若者家庭センター』を設置しました。」と書いています(2026年8月31日確認)。それまで別々だった2つの組織を1つにまとめたもので、市の説明では「母子保健部門と児童福祉部門が一体となり、より連携を強化して、切れ目のない相談・支援を行います。」とされています。

この記事で確かめたかったのは、看板ではなく、かける先が1つになったかどうかです。結論から書くと、所属は1つになりました。電話番号は3本のままです。これは手抜きではなく、対象年齢が0歳から20代までと広いことの裏返しだと私は見ています。ただ、初めてかける保護者の側から見れば、番号を選ぶという一手間はそのまま残っています。

私は磐田で不動産の仕事をしていて、実家じまいや相続のご相談を受けます。子育ての相談を受ける立場ではありません。それでも、家の話をしていると子どもの事情が出てくることはあります。この記事は、市の資料を外から読む形で書きます。

まず、事実を整理する——2つの組織が1つになった

統合されたのは、「こども未来課子育てサポートグループ」(子育て世代包括支援センター)と「こども・若者相談センター」(子ども家庭総合支援拠点)の2つです。いまは「こども部 こども若者家庭センター」という1つの所属になり、その中に相談グループと子育てサポートグループの2グループが置かれています。配置されている専門職は、保健師、精神保健福祉士、社会福祉士、教員です。

根拠になっているのは、令和4年に改正された児童福祉法です。こども家庭庁の資料によると、この改正により「令和6年4月から市町村は『こども家庭センター』の設置に努めなければならない」とされました。努力義務であって、義務ではありません。磐田市は、その初年度に置いた側です。

名前が法律どおりでないことにも、意味があります。法律にあるのは「こども家庭センター」で、磐田市が使っているのは「こども若者家庭センター」。市は、児童福祉法にある「こども家庭センター」をさらに充実させている、という趣旨の説明をしています。「若者」の2文字が入ることで、中学卒業以降の高校生を含む若者まで対象に入ります。

場所は、磐田市国府台57-7のiプラザ(総合健康福祉会館)2階南側です。市役所の本庁舎は磐田市国府台3-1で、別の建物になります。同じ国府台という地名なので混同しやすい。受付は平日の午前8時30分から午後5時15分まで、土日祝と12月29日から1月3日は休みです。

磐田市こども若者家庭センターの窓口を用途別に整理した図。妊娠・出産・乳幼児の子育ては子育てサポートグループ、電話0538-37-2012。いじめ・不登校・ヤングケアラー・虐待・DVや離婚の相談は相談グループ、電話0538-37-2018。中学卒業以降の高校生を含む若者のひきこもり・不登校・就学就労は若者相談ダイヤル、電話0538-37-2752。所在地は磐田市国府台57-7のiプラザ2階南側で、市役所本庁舎の国府台3-1とは別の建物。受付は平日午前8時30分から午後5時15分まで。
図1 磐田市「こども若者家庭センター」および市の相談窓口の案内から作成(2026年8月31日確認)。

数字で見る——年少人口20,110人、不登校532人

磐田市こども計画の本編に、受け止める側の規模が載っています。年少人口(0〜14歳)は20,110人で、総人口166,307人の12.1%です(住民基本台帳、令和6年3月末)。出生数は令和4年度が1,014人。暦年では令和5年が848人でした(静岡県人口動態統計)。合計特殊出生率は令和4年で1.38で、静岡県の1.33、全国の1.26を上回っています。

数字は、自分の商売の感覚に置き換えて見るようにしています。令和5年の出生数848人がこのまま15年続いたとすると、15年後の0〜14歳は12,720人。いまの20,110人より7,390人、36.7%少ない計算になります(転入・転出を考えない、ざっくりした試算です)。センターが受け止める子どもの数は、この先減っていきます。

ところが、相談の中身のほうは増えています。磐田市こども計画は「本市の不登校の児童生徒数は年々増加しており、令和5年度では532人となっています。」と書いています。令和元年度は307人でしたから、225人増、73.3%増です。子どもの数が減るなかで、不登校は4年で1.7倍になりました。

虐待の側も見ます。磐田市の要保護児童等対策協議会に令和5年度に新規で提案された件数は合計82件。内訳は心理的虐待38件、身体的虐待22件、ネグレクト11件、性的虐待1件、特定妊婦10件です(資料の提出元はこども若者家庭センター)。年少人口20,110人で割ると、245人に1件になります(筆者の計算)。参考までに、静岡県が所管する児童相談所の令和6年度の相談対応件数は1,756件で、前年度の1,961件から10.5%減っています。

磐田市の子どもをめぐる数字を並べた図。年少人口0歳から14歳は20,110人で総人口166,307人の12.1パーセント、令和6年3月末時点。出生数は令和4年度1,014人、令和5年暦年848人。合計特殊出生率は令和4年で1.38、静岡県1.33、全国1.26。不登校の児童生徒数は令和5年度532人で令和元年度307人から73.3パーセント増。要保護児童等対策協議会への新規提案は令和5年度合計82件で年少人口245人に1件。子育て支援センターは12か所。全国のこども家庭センター設置率は2026年4月1日時点で85.9パーセント、静岡県は35市町中32市町。
図2 磐田市こども計画本編、磐田市の子育て支援センター一覧、こども家庭庁の設置状況調査から作成(2026年8月31日確認)。割り戻しと増減率は筆者の計算。

全国では85.9%。磐田は初年度に置いた

こども家庭庁の調査によると、2026年4月1日時点でこども家庭センターを設置している市区町村は1,741自治体中1,496自治体、85.9%です(2026年6月18日公表)。設置箇所数は1,683か所。前回の2025年5月1日時点は1,240自治体・71.2%でしたから、1年で14.7ポイント上がりました。静岡県は35市町中32市町が設置済みで、91.4%と全国平均を上回っています。

磐田市が設置したのは、努力義務が始まった2024年4月です。全国の設置率が71.2%だった2025年5月時点より、1年以上前に動いていたことになります。

評価——良い点を3つ、注文したい点を3つ

まず、良い点を3つ数えます。ひとつ目。母子保健と児童福祉を、連携ではなく同じ所属にまとめたことです。会議で連携すると決めるのと、同じ課の同じフロアに置くのとでは、話が回る速さが違います。2つの前身組織の機能を落とさずに一体化した、という点を私は評価します。

ふたつ目。名前に「若者」を入れたことです。法律の名前は「こども家庭センター」で、そこで止めても義務は果たせます。磐田市はそこに2文字足して、中学卒業以降まで対象に入れた。18歳で相談先が切れる、という段差を自分でふさぎにいった形です。ヤングケアラーやひきこもりは、その段差のところでいちばんこぼれます。

みっつ目。専門職を4種類そろえていることです。保健師、精神保健福祉士、社会福祉士、教員。保健師だけでも、教員だけでもない配置になっていることが、この窓口の実質だと私は考えています。不登校が532人という数字を前にすると、教員が中にいる意味は小さくありません。

そのうえで、一事業者として注文を3つ書きます。ひとつ目。電話番号3本のうち「迷ったらここ」を1つ決めて、先頭に書いてほしい。用途で分けるのは、受ける側にとって合理的です。ただ、初めてかける保護者は、自分の悩みがどの分類に入るかを、かける前に決めなければなりません。いじめか、発達か、家庭のことか。その仕分けができるくらい整理がついている人なら、そもそもあまり迷っていない。

ふたつ目。場所が市役所ではないことを、もっと強く書いてほしい。iプラザは磐田市国府台57-7、本庁舎は国府台3-1。同じ国府台という地名で、番地だけが違います。子どもを連れて、間違えた建物に着いたときの徒労を思うと、案内の1行を足す価値はあります。

みっつ目。子育て支援センター12か所との役割の違いを、1行で書いてほしい。市の一覧には子育て支援センターが12か所載っています(2026年8月25日更新)。こども計画では令和5年度時点で11か所、延べ利用74,422人。どちらも「子育て」「センター」という名前で、市民の側からは区別がつきません。これは磐田市だけの問題ではなく、制度の名前のつけ方から来ています。

対案・結論——今日できる確認

結論を先に書きます。所属は一本化されました。かける先は、まだ3本です。そのうえで、今日できる確認を3つ挙げます。

第一に、3つの番号を、スマートフォンの連絡先に今日のうちに登録してください。子育てサポートグループ0538-37-2012、相談グループ0538-37-2018、若者相談ダイヤル0538-37-2752。必要になる日は、たいてい落ち着いて調べられない日です。探す時間を先に潰しておくのが、いちばん確実な備えになります。

第二に、受付時間を確かめてください。平日の午前8時30分から午後5時15分まで。土日祝と年末年始は開いていません。相談したいと思う瞬間は、夜と週末に来ることが多い。その時間に何が使えるかは、あらかじめ別で押さえておく必要があります。

第三に、iプラザの場所を、一度地図で見ておいてください。磐田市国府台57-7、総合健康福祉会館の2階南側です。市役所とは別の建物で、番地も違います。行く前に一度見ておくだけで、当日の迷いが減ります。

最後に一言。体験ストックに該当する記録がないので、ここからは私の意見として書きます。私は「窓口の一本化」という言葉を、あまり信用していません。組織図の上で1つになっても、市民がかける番号が3本あるなら、その人にとっての窓口は3つのままです。逆に、番号が1本でも、たらい回しになれば意味がない。どちらが良いのかを、私はまだ決めきれていません。

それでも、この統合を私は前向きに見ています。理由は、不登校532人と、要保護の新規82件という数字のほうにあります。子どもの数は減っていくのに、相談の中身は重くなっている。母子保健と児童福祉が別々の課にあった時代のやり方では、この形の増え方に追いつきません。

一事業者として望むのは、この窓口が数年後に「使われた記録」を出すことです。相談件数でも、つながった先の内訳でもいい。設置したかどうかは全国の85.9%という数字で分かりますが、使われているかどうかは、市が数えないと誰にも分かりません。今日、電話をかける必要はありません。3つの番号を登録して、iプラザの場所を地図で見る。それだけで、必要になった日の動き出しは早くなります。

よくある質問

Q. 磐田市のこども家庭センターは、どこにありますか。

正式名称は「こども若者家庭センター」で、磐田市国府台57-7のiプラザ(総合健康福祉会館)2階南側にあります。市役所の本庁舎(磐田市国府台3-1)とは別の建物です。受付は平日の午前8時30分から午後5時15分まで(土日祝、12月29日から1月3日を除く)。市は「令和6年4月にiプラザ2階南側に『こども若者家庭センター』を設置しました。」と説明しています(2026年8月31日確認)。

Q. 電話番号は、どれにかければいいですか。

用途で3本に分かれています。妊娠・出産・乳幼児の子育てに関することは子育てサポートグループの0538-37-2012。いじめ、不登校、ヤングケアラー、虐待、DVや離婚の相談は相談グループの0538-37-2018。中学卒業以降の高校生を含む若者のひきこもり・不登校・就学就労の相談は、若者相談ダイヤルの0538-37-2752です。迷ったときは、どこへかけても取り次いでもらえます。

Q. こども家庭センターと、子育て支援センターは何が違いますか。

こども若者家庭センターは相談と支援の計画をつくる窓口で、母子保健部門と児童福祉部門が一体になった1か所です。子育て支援センターは親子が集まって過ごす場で、磐田市の一覧には12か所が載っています(2026年8月25日更新)。市のこども計画では令和5年度時点で11か所、延べ利用74,422人と記載されています。日常の居場所は子育て支援センター、継続的な相談はこども若者家庭センターという分け方になります。

著者・大石浩之の顔写真

大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)

磐田市で小さな不動産業を営み、実家じまい・空き家・相続・介護にからむご相談を一件ずつ受けています。 理念より、家計と段取りで考えます。 プロフィール

出典(2026年8月確認)

  • 磐田市「こども若者家庭センター」(ページ番号1013183、更新日2025年2月26日、2026年8月31日確認。「令和6年4月にiプラザ2階南側に『こども若者家庭センター』を設置しました。」「母子保健部門と児童福祉部門が一体となり、より連携を強化して、切れ目のない相談・支援を行います。」/所在地=磐田市国府台57-7 iプラザ(総合健康福祉会館)2階南側/子育てサポートグループ0538-37-2012、相談グループ0538-37-2018/受付=平日午前8時30分〜午後5時15分、土日祝・12月29日〜1月3日を除く/前身=こども未来課子育てサポートグループ(子育て世代包括支援センター)とこども・若者相談センター(子ども家庭総合支援拠点)/配置職種=保健師、精神保健福祉士、社会福祉士、教員) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kosodate_kyouiku/kosodate_shien/1013183.html
  • 磐田市「若者相談」(更新日2026年4月16日、2026年8月31日確認。対象=中学卒業以降の高校生を含む若者、内容=不登校・ひきこもり・職場や学校での悩み・就学就労等/若者相談ダイヤル0538-37-2752) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kurashi_tetsuzuki/nayami_soudan/ikuji_soudan/1006575.html
  • 磐田市「磐田市こども計画」本編(更新日2025年3月31日、2026年8月31日確認。「本市の不登校の児童生徒数は年々増加しており、令和5年度では532人となっています。」/年少人口0〜14歳20,110人・12.1%・総人口166,307人=住民基本台帳令和6年3月末/出生数1,014人=令和4年度、848人=令和5年暦年・静岡県人口動態統計/合計特殊出生率1.38=令和4年、静岡県1.33、全国1.26/不登校307人=令和元年度/要保護児童等対策協議会の新規提案82件=令和5年度、心理的38・身体的22・ネグレクト11・性的1・特定妊婦10/子育て支援センター11か所・延べ利用74,422人=令和5年度) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/keikaku/kosodate_kyouiku/1002708.html
  • 磐田市「子育て支援センター」一覧(更新日2026年8月25日、2026年8月31日確認。掲載は12か所) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/1006547/1006548/1001754.html
  • 磐田市「組織案内」(更新日2024年4月2日、2026年8月31日確認。こども部 こども若者家庭センター=相談グループ・子育てサポートグループの2グループ) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/soshikiannai/soshikikikou/1002384.html
  • こども家庭庁「こども家庭センターの設置状況調査」(2026年6月18日公表、2026年8月31日確認。令和8年4月1日時点=1,741自治体中1,496自治体設置・85.9%・1,683か所、指定都市/中核市/特別区100%・市97.5%・町79.4%・村59.6%、静岡県35市町中32市町/令和7年5月1日時点=1,240自治体・71.2%・1,415か所/「令和4年に改正された児童福祉法等により、令和6年4月から市町村は『こども家庭センター』の設置に努めなければならない」=令和7年8月1日付資料) https://www.cfa.go.jp/policies/jidougyakutai/setchijokyochosa
  • こども家庭庁「令和6年度 児童相談所における児童虐待相談対応件数」(2026年8月31日確認。静岡県所管の児童相談所合計1,756件=令和6年度、前年度1,961件・10.5%減)
  • 本連載の既報:磐田で子育てをする家庭はどこへ相談できるか(記事0138)、ヤングケアラーに地域はどう気づくか(記事0056)、「発達が気になる」と言えるまでの時間(記事0224)、不登校の子どもと家族を地域でどう支えるか(記事0141)、こども若者会議は見学ならまだ間に合う(記事0242)

※本文の「36.7%少ない」「7,390人」「12,720人」「73.3%増」「225人増」「245人に1件」「14.7ポイント」は、公表値をもとにした筆者の計算です。15年後の年少人口の試算は、令和5年の出生数848人がそのまま続き、転入・転出がないと仮定した単純計算で、将来推計ではありません。出生数は令和4年度が年度の値、令和5年が暦年の値で、集計の基礎が異なります。子育て支援センターの箇所数は、市の一覧(2026年8月25日更新)で12か所、こども計画本編では令和5年度時点で11か所と、資料によって異なります。要保護児童等対策協議会の82件は「新規提案件数」であり、虐待の認定件数ではありません。静岡県の1,756件は県が所管する児童相談所の合計で、磐田市分の内訳は公表資料で確認できませんでした(2026年8月31日確認)。相談窓口の分担・電話番号・受付時間・所在地は変更される場合があります。実際に相談される際は、磐田市こども若者家庭センターにご確認ください。緊急時や夜間・休日は、児童相談所虐待対応ダイヤル189などの窓口があります。