Q. 災害に対応する市職員の手当は、いくら変わるの?

磐田市の議案第100号は、災害関連作業の手当日額を引き上げる案です。巡回監視は710円から950円、応急作業は1,080円から1,440円などへ増額します。私は見直しを評価します。ただし2026年10月8日時点で成立は確認できず、増額だけで出動体制の充実は判断できません。

災害時に働く人の処遇を、日額で読む

磐田市議会へ2026年9月9日に提出された議案第100号は、「磐田市職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例」の制定案です。災害に関係する作業に従事した職員の手当を見直す内容です。10月8日に議案本文と新旧対照表を確認しました。

大石浩之(磐田市/不動産業)です。私は、災害時に動く人の処遇を見直すことを評価します。磐田で家や土地を扱う事業者にとって、道路や周辺の安全を確かめる仕事は、自分の商売と切り離せません。国府台の市役所の中だけで完結する話ではないと考えています。

ただ、資料を読んで最初に区別したいのは、給与全体と作業ごとの手当です。今回の950円や1,440円は、職員の一日の給与ではありません。条例に該当する作業に従事した場合の手当日額です。市職員全員に毎日同じ額が上乗せされる、という案でもありません。

議案と決定の違いは、磐田市9月議会の資料の読み方で整理しています。本稿も議案を根拠にした記事です。成立の確認と、案に書かれた内容の確認を分けて読みます。

雨具を置いて引継ぎをする二人の職員を描いたイメージ。実在の人物・施設・商品を再現したものではありません。
記事内容をもとに生成したイメージ。実際の現地・商品を撮影した写真ではありません。

巡回監視は240円、応急作業は360円の増額案

議案第100号の新旧対照表では、巡回監視作業が日額710円から950円へ、応急作業が1,080円から1,440円へ変わります。遭難救助作業は840円から1,120円へ、第6条第1項第4号に規定する作業は710円から950円へ変更する案です。

差額は順に240円、360円、280円、240円です。いずれも一回限りの一律支給額ではなく、日額の新旧差です。資料の金額を比べる際は、作業区分と単位をそろえる必要があります。対象の延べ人数が示されていないため、市全体の増額総額はこの表だけでは計算できません。

意外に見落としやすいのが、勤務時間外は5割増しという記載です。この取扱いは新旧対照表の両側にあり、今回も維持される形です。新たに5割増しを導入する案ではありません。日額の引上げと、以前からある加算の仕組みを混ぜないようにしたいところです。

災害救助法が適用された大規模災害に係る作業では、作業区分にかかわらず日額1,080円から1,440円へ変更する案です。ここにも勤務時間外5割増しの記載があります。通常の区分別の表と、大規模災害の場合の備考は、別々に読み合わせる必要があります。

巡回監視|710円 → 950円/応急作業|1,080円 → 1,440円/遭難救助|840円 → 1,120円。公式資料の確認時点の内容を整理した図です。
公式資料をもとに作成。2026年10月8日確認。金額は手当の日額の改正案。成立済みとは確認していません。

良い点は、作業に応じた負担を金額で示すこと

私は、災害関連作業の手当を具体的な金額で見直す点を評価します。危険や緊張を伴う仕事を「頑張ってほしい」という言葉だけで済ませず、処遇として扱うからです。事業者の側も、通常と異なる仕事をお願いするとき、気持ちだけで負担を引き受けてもらうわけにはいきません。

私が良いと考える点は二つあります。一つは、巡回監視、応急作業、遭難救助など、対象となる作業の区分が表に残ることです。住民も何の仕事に対する手当なのかを追えます。二つ目は、勤務時間外の取扱いを維持しながら、日額を引き上げる形になっていることです。

私は、夜間や休日に動く人の負担を、日中と同じ言葉で片づけない説明を望みます。手当の表があることで、少なくとも通常の勤務とは別の負担を扱っていると分かります。その区別が住民にも読めることは、見直しを理解する入口になると思います。

附則では、公布日から施行し、改正後の規定を2026年4月1日から適用する案になっています。改正前の規定で支給された分は、改正後の手当の内払いとして扱う記載です。すでに払った分と改正後の額の関係も、案の中で整理されています。

私は、こうした支払いの段取りが書かれている点も読み飛ばしたくありません。現場で働いた後、どの扱いになるのかが曖昧なままでは、説明する側にも受け取る側にも手間が残るからです。ただし、案に附則があることと、実際の支給が終わっていることは別です。

注文したいのは、手当の先にある出動体制の説明

私は、手当の増額を評価したうえで、誰がどのように現場を支えるのかも説明してほしいと考えます。今回の議案からは、増額総額、対象となる延べ人数、出動体制への効果を確認できません。資料にないことを、体制が不足している証拠にするつもりもありません。

一事業者としての注文は二つです。まず、対象の規模を住民が読める形にしてほしい。作業区分ごとの延べ日数などが分かれば、日額の改定が全体として何を変えるのか考えやすくなります。個人名や個別の勤務記録まで公開してほしい、という話ではありません。

もう一つは、交代、休憩、連絡の仕組みを、公開できる範囲で知らせてほしいということです。住民が知りたいのは、職員が無理をしている姿ではなく、必要な対応が続くかどうかです。金額と運用を一枚の説明でつなげてもらえれば、改定の意味を受け取りやすくなります。

私は、この金額で十分なのかと問われると、まだ答えを出せません。作業の時間、頻度、現場の負担が、この資料だけでは見えないからです。安い、高いと即断するより、判断に足りない材料を具体的に示す方が、働く人にも住民にも誠実だと思います。

私は、人数の説明には「実人数」と「延べ日数」の区別も添えてほしいと思います。同じ人が複数日に対応した場合と、別々の人が一日ずつ対応した場合では、交代の見え方が違います。日額を使う手当だからこそ、単に何人いたかだけでなく、どれだけの日数を支えたのかが判断材料になります。

一方で、災害の最中に集計や説明を急がせたいわけではありません。私が望むのは、対応を終えた後に負担を振り返れる記録です。住民への説明と、次に働く人の準備につながる形なら、数字を出す意味もはっきりすると考えます。

私なら、自分の店の連絡順を先に確かめる

私は、災害対応の体制を考えるなら、自分の商売の連絡順を紙に書いてみます。これは実際に起きた相談の再現ではなく、私の考え方です。店を開けられるか、物件の様子を誰が確認するか、無理な移動を誰が止めるか。市の資料への注文と、自分の備えは一緒に考えたいと思います。

私は、小さな事業所ほど、一人が連絡できないだけで次の手順が止まりやすいと考えます。だから手当の話を読んで終わりにせず、自分の店で代わりに連絡を受ける人を一人決める。その確認なら、制度の結論を待たずに今日できます。

具体的な備えは、磐田市の事業所防災備蓄の点検手順にも整理しています。市の対応があることと、各事業所の備えが必要なことは両立します。危険な状況で自己判断の現地確認を急ぐ理由にはなりません。

市を支える人の確保という別の話題では、今回磐田市職員採用の後期申込案内も掲載しました。採用と災害作業の手当は同じ制度ではありませんが、働く人の入口と、働いたときの扱いをそれぞれ確かめる材料です。

最後に一言。

私は、災害時に動く人の処遇を、気合いだけで済ませるべきではないと言い切ります。増額案を評価します。その先に、無理なく対応を続ける段取りの説明がほしい。磐田で暮らし商売をする側として、金額と体制の両方を見ていきたいと思います。

消防団の報酬は、消防団員の年額報酬を考えた記事で扱っています。今回の対象は該当作業に従事した市職員で、消防団員の報酬と同じ表には置けません。誰に、何の仕事に対して払うお金なのか。その区別を保って読むことから始めたいです。

よくある質問

磐田市の議案第100号について、金額と判断の範囲を整理します。

改正案はすでに成立していますか。

2026年10月8日時点で、本稿では議案第100号の成立を確認できていません。議案の附則は公布日から施行し、2026年4月1日から適用する内容ですが、成立済みの制度として断定していません。最新の扱いは磐田市議会の審議結果や公布された条例で確認してください。案の記載と、決定した事実は分けて読む必要があります。

1,440円は職員の一日分の給料ですか。

1,440円は、改正案で示された応急作業などに対する手当の日額です。給与全体や、市職員全員に一律支給する額ではありません。巡回監視は950円、遭難救助は1,120円という別の区分があります。災害救助法が適用された大規模災害に係る作業の取扱いも備考にあり、個別の支給判断は担当窓口への確認が必要です。

増額すれば災害対応の人手も増えますか。

議案第100号から、増額によって出動人数や対応時間がどれだけ変わるかは確認できません。手当の見直しと、人員配置や交代の仕組みは別に確かめる事項です。私は処遇の見直しを評価しつつ、対象の規模と継続して対応する段取りの説明を望みます。住民や事業所は、自分の連絡先や備蓄の確認を今日から行えます。

著者・大石浩之の顔写真

大石浩之(磐田市/不動産業・宅地建物取引士)
家計と段取りから、磐田の暮らしを事業者の立場で記録します。
プロフィール

出典(2026年10月確認/確認日:10月8日)

日程・制度・数値は変更される場合があります。最新の条件は各公式案内で確認してください。法令等の個別判断は担当窓口や専門家にご相談ください。