導入——私が、いちばん書いてきたテーマの続き
この連載でいちばん多く書いてきたのは、学校再編の話です。小中一体校に強烈に反対する理由を書き、はまぼう学府の地域説明は足りているかと問い、小学校をなくすことは地域をなくした果てにあると書き、入学予定23人のうち入学したのは1人という現実も書きました。
その、はまぼう学府について、7月24日に市から告知が出ました。「新たな学校づくり検討会」の委員を公募します——募集は8月1日から31日までです。
正直に言います。書いてきた立場として、これは逃げられない告知です。散々「説明が足りない」「対話の順番が違う」と書いてきて、いざ市民が座れる席が用意されたときに黙っているのでは、筋が通りません。今日は、この公募の中身を整理して、私なりの呼びかけを書きます。
まず、事実を整理する
検討会の役割は、基本構想・基本計画の策定に向けた課題整理、基本方針、施設機能等の検討です。関係する学校は、福田中学校・福田小学校・豊浜小学校。募集する市民委員は若干名です。
応募資格は、応募時に満18歳以上(高校生を除く)、福田地区在住、会議に参加できる方。募集期間は令和8年8月1日(土曜)から31日(月曜)まで。応募は案内チラシのQRコード、または募集フォームから。会議は2〜3か月に1度程度の開催で、担当は教育部学校づくり整備課(電話0538-37-2115)です。
ここで注目したいのは、検討する中身の段階です。「基本構想・基本計画の策定に向けた課題整理、基本方針、施設機能等」——つまり、これから校舎をどう建てるかという設計の話だけでなく、基本方針そのものが検討の対象に入っていると読めます。すでに固まった図面に色を塗る作業ではなく、まだ言葉が決まっていない段階だということです。
評価——良い点と、注文したい点
良い点を3つ挙げます。
1つ、市民委員の枠を設けたこと。私は地域説明の記事で「情報公開と対話の順番」を問いました。決めてから説明するのではなく、決める場に地域の人が入る。順番として、これは前進です。2つ、18歳以上に開いていること。新しい学校に通うのは、いまの子どもたちです。その一歩手前の世代——たとえば大学生や、地元で働き始めた20代が座れるのは重要です。3つ、2〜3か月に1度という現実的なペース。仕事や子育てをしながらでも続けられる頻度で、しかも継続的に関われる。一回きりのワークショップとは、関与の深さが違います。
そのうえで、注文が3つあります。
1つ。「若干名」という書き方です。昨日の土木職の記事でも同じことを書きました。何人の枠なのかが分からなければ、応募する側は「自分が入れる可能性」を測れません。2人なのか5人なのかで、応募の判断は変わります。選考方法も告知には見当たりませんでした。何人採り、どう選ぶのか。これを示すのは、募集する側の最低限の礼儀です。
2つ。福田地区在住という条件です。地元の声を中心に据える設計は理解できます。ただ、学校再編は「その地区だけの問題」ではありません。磐田市全体で人口が減り、どの学区も同じ問題を数年後に迎えます。はまぼう学府で決まったやり方は、次の学府の前例になる。ならば、他地区の保護者がオブザーバーとして傍聴できる仕組みくらいは、あってもいい。
3つ。会議の公開と、記録の扱いが見えないことです。傍聴できるのか。議事録は公表されるのか。委員になった人だけが知っている議論では、地域全体の納得は生まれません。「地域説明は足りているか」と私が問うたのは、まさにこの点でした。
対案・結論——反対と言うなら、まず席に座ろう
ここからは、福田地区にお住まいの方への呼びかけです。
私は、小中一体校に反対だと書いてきました。その考えは、いまも大きくは変わっていません。だからこそ、こう言います。反対の立場の人ほど、この席に座ってほしい。理由は3つあります。
第一に、席の外からの反対は、記録に残らないからです。井戸端で「あれはおかしい」と言い合っても、それは議事録に一行も残りません。委員として発言すれば、賛成であれ反対であれ、記録として残る。無関心の値段の記事で書いたとおり、見られている行政と見られていない行政は、違う仕事をします。
第二に、まだ基本方針の段階だからです。図面が引かれ、予算がつき、業者が決まってからでは、動かせるものはほとんどありません。「課題整理・基本方針」と書いてあるいまが、いちばん言葉が効く時期です。
第三に、会議に出れば、数字と資料が手に入る。児童数の推計、施設の老朽化の状況、費用の見込み。外から想像で論じるのと、資料を見て論じるのとでは、説得力がまるで違います。反対するにも、材料が要るのです。
そして市への注文を、あらためて3つ。採用人数と選考方法を明示すること。会議を傍聴可能にし、議事録を公表すること。そして、他地区の保護者にも情報を開くこと。この3つが揃えば、「決めてから説明する」から「一緒に決める」へ、本当に順番が変わります。
最後に一言。私はこの連載で、学校が消えたあとの地域を見てきました。入学予定23人のうち、入学したのは1人——あの数字を書いたとき、私は「線を引かないまま学校は消えていく」と書きました。線を引くというのは、誰かが席に着いて、地図と数字を前に、覚悟を持って決めるということです。その席が、8月1日から31日まで、福田地区の人に開かれます。応募は満18歳以上、会議は2〜3か月に1度。反対でも、賛成でも、迷っていてもいい。いちばんまずいのは、誰も座らないまま決まっていくことです。
出典(2026年7月確認)
- 磐田市「はまぼう学府新たな学校づくり検討会の委員を公募します」(検討会の役割、対象校=福田中学校・福田小学校・豊浜小学校、市民委員若干名、応募資格=満18歳以上〈高校生を除く〉・福田地区在住、募集期間 令和8年8月1日〜31日、会議は2〜3か月に1度程度、担当=教育部学校づくり整備課) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/kyoiku/1014889/1014892/1008588/1016673.html
※募集要件・方法は変更される場合があります。応募の詳細は磐田市公式サイトおよび案内チラシでご確認ください。