導入——意見を出す前に、決める場を見る

昨日から今日にかけて、私は「意見の入り口」の話を続けて書いています。パブリックコメントの窓は閉まっていたという話。こども若者会議に、大人もアンケートで関われるという話。そしてはまぼう学府の検討会に、市民委員の席が開くという話です。

今日はもう一つ、その上流の話を書きます。市の告知に、こう出ていました。「磐田市子ども・子育て会議(第1回)を開催します!」——開催は7月30日(木曜)午後2時、あさってです。そして傍聴の定員は10名

意見を出す場の話ばかり書いてきましたが、順番から言えば、こちらが先です。市民が意見を出す「案」は、こういう会議で形になっていく。だとしたら、意見を出す前に、決める場そのものを一度見ておくべきではないか——今日はそういう話です。

まず、事実を整理する

磐田市子ども・子育て会議は、子ども・子育て支援事業計画の策定、進捗状況の管理、そして子育て支援の施策を総合的・計画的に進めるために必要な事項を審議するために設置された会議体です。市の付属機関——つまり、市長や担当課が計画をつくるときに、意見を聞く公式の場です。

第1回の日時は令和8年7月30日(木曜)午後2時、場所は磐田市役所豊田支所の大会議室。議題として挙がっているのは4つです。こども・若者スマイルプランの進捗状況、乳児等通園支援事業、保育提供体制実施計画、そして幼児教育・保育推進計画の策定。

この4つは、この連載で書いてきたテーマとまっすぐつながります。「乳児等通園支援事業」は、「働いていなくても、預けられる」と書いたこども誰でも通園制度の話です。「保育提供体制」は、夏休みの放課後児童クラブで書いた「預け先は足りているか」の、就学前版にあたります。私がブログで論じてきたことが、あさって、当事者たちの手で議題として扱われる。

傍聴は定員10名。過去の会議録は、要旨や議事録としてPDFで公開されています。問い合わせはこども部こども未来課(電話0538-37-2808)です。

磐田市子ども・子育て会議 第1回の概要をまとめた図。会議は子ども・子育て支援事業計画の策定、進捗状況の管理、子育て支援の施策を総合的・計画的に進めるために必要な事項を審議する市の付属機関。第1回は令和8年7月30日木曜の午後2時、磐田市役所豊田支所大会議室で開催。議題は4つで、こども・若者スマイルプランの進捗状況、乳児等通園支援事業、保育提供体制実施計画、幼児教育・保育推進計画の策定。傍聴の定員は10名。過去の会議録は要旨や議事録としてPDFで公開されている。問い合わせはこども部こども未来課。
図1 磐田市子ども・子育て会議 第1回——概要(磐田市告知ページから作成)

評価——良い点と、注文したい点

良い点を3つ。

1つ、傍聴が可能なこと。決める場が市民に開かれているのは、当たり前のようでいて大事です。10名という定員はともかく、「入れる」ということ自体が前提として確保されています。2つ、会議録が公開されていること。当日行けなくても、あとから議論を追える。無関心の値段で「返事のない投書箱に二度目の手紙は来ない」と書きましたが、記録が出るというのは最低限の返事です。3つ、議題が具体的であること。「子育て支援について」ではなく、通園支援、保育の提供体制、計画の策定と、審議する中身がはっきりしています。

そのうえで、注文が3つ。

1つ。告知が、開催の2日前だったことです。市サイトへの掲載は7月28日、開催は30日。平日の午後2時という時間設定と合わせれば、傍聴に行けるのは相当限られた人です。こども若者会議のときも「告知が6日前」と書きました。同じことが続いています。市民に見てほしいなら、2週間前には出してほしい。

2つ。傍聴の申込方法が分かりにくいことです。定員10名と書いてあるなら、先着なのか、事前申込が要るのか、当日直接行けばいいのか。ここが分からないと、行こうと思った人が最初の一歩でつまずきます。

3つ。委員の構成が、告知の画面から読み取りにくいことです。この会議には誰が座っているのか。子育て中の保護者は入っているのか。公募委員の枠はあるのか。「決める場に誰がいるか」は、その計画の性格を決めます。委員名簿を分かりやすい場所に置いてほしい。今日の記事のタイトルにした問いは、まさにここです。

市民の意見が計画に届くまでの流れと、それぞれの段階の課題をまとめた図。上流の審議会・子ども・子育て会議では、計画の案そのものがつくられる。傍聴定員10名、告知は開催2日前、平日の午後2時開催。中流のパブリックコメントでは案に対して意見を出せるが、こども計画では30日間で43件・28名にとどまり、現在は募集案件が0件。下流の完成した計画は、実際の予算と事業になり暮らしに反映される。上流ほど内容を動かせるのに、上流ほど市民から見えにくいという構図を示している。
図2 上流ほど動かせるのに、上流ほど見えにくい

対案・結論——上流ほど動かせるのに、上流ほど見えにくい

ここまで書いてきて、ひとつの構図が見えてきました。

市民の意見が計画に届く流れには、上流と下流があります。上流が、今日の子ども・子育て会議のような審議の場。ここで計画の案そのものが形になります。中流が、できた案に意見を出すパブリックコメント。下流が、完成した計画と、それに基づく予算と事業です。

そして、上流ほど中身を動かせるのに、上流ほど市民から見えにくい。パブコメは30日間の窓が開き、広報にも載ります。でも審議会は、2日前の告知と、平日午後の10席です。こども計画のパブコメが43件・28名だったという数字を、私は市民の無関心の証拠として書きました。けれど、上流がこれだけ見えにくいなら、中流に人が集まらないのも当然かもしれません。

提案は3つです。第一に、審議会の開催告知を、2週間前に出すこと。市のLINEやメールで「今月はこの会議があります」と一報流すだけで、傍聴に行ける人は確実に増えます。第二に、傍聴の手順を1行で書くこと。「当日直接お越しください」なのか「前日までにお電話を」なのか。この1行の有無が、10席が埋まるかどうかを決めます。第三に、委員名簿と資料を、会議前に公開すること。誰が、どんな資料をもとに議論するのかが事前に分かれば、傍聴の質も市民の理解も変わります。

最後に一言。私はこの数日、「意見を出そう」と繰り返し書いてきました。パブコメを出そう、くらしラボに書こう、検討会の席に座ろう、と。でも今日、順番が一つ抜けていたことに気づきました。意見を出す前に、決めている場を見る。そこに誰がいて、どんな資料が配られ、どんな議論がされているのか。それを知らずに出す意見は、どうしても的を外します。あさって午後2時、豊田支所。10席のうちの1つは、あなたのために空いています。私も、日程の都合がつけば覗いてみるつもりです。行けたら、この連載で報告します。

出典(2026年7月確認)

  • 磐田市「磐田市子ども・子育て会議」(会議の目的・根拠、第1回=令和8年7月30日午後2時/磐田市役所豊田支所大会議室、議題=こども・若者スマイルプラン進捗状況/乳児等通園支援事業/保育提供体制実施計画/幼児教育・保育推進計画策定、傍聴定員10名、過去の会議録公開、担当=こども部こども未来課) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/shingikai_iinnkai/kosodate_kyouiku/1005069.html
  • 磐田市「(仮称)磐田市こども計画(案)に関するパブリックコメント結果」(募集期間 令和7年1月20日〜2月18日、意見43件・28名) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/kouhou_kouchou/publiccomment/1002568/1015355.html

※日時・傍聴方法は変更される場合があります。傍聴を希望される方は、事前に磐田市公式サイトまたは担当課へご確認ください。