導入——昨日の記事の、続きが見つかった
昨日の記事で、磐田市に意見を届ける入り口の話を書きました。パブリックコメントの窓は閉まっていて、常設の「いわたのくらしラボ」を見つけた——という顛末です。
その舌の根も乾かないうちに、市のサイトでもう一つの入り口が開いているのを見つけました。「こども若者会議2026」。しかも第1回の開催は7月29日、あさってです。見学の受付と、誰でも出せるアンケートが、いま動いています。昨日の今日でこれを書かない理由はありません。若者版・意見の入り口の点検です。
まず、事実を整理する
こども若者会議は、磐田市のこども施策について、こどもたち自身から意見を聞いて市政に反映させていく取り組みです。今回は第2期。メンバーは小学5年生から中学生が15人程度、高校生から20歳代が5人程度——合わせて約20人で、市内在住・在学・在勤が条件です。
日程は7月29日を皮切りに、8月5日、8月18日、9月5日、9月26日と会議を重ね、10月25日に発表、10月31日に振り返り。計7回、いずれも午前9時から12時の予定です。テーマは「磐田市のよいところ・あったらいいな・こうなったらいいな」。
そして、メンバーでなくても関わる方法が二つ用意されています。一つは見学。申込みフォームから受け付けており、保護者の見学も歓迎とあります。もう一つがアンケートで、これがまさに昨日紹介した「いわたのくらしラボ」上で募集されています。集まった意見は会議の参考にされるとのこと。大人でも、メンバーでなくても、この会議に意見を渡せるわけです。
評価——良い点と、注文したい点
良い点を4つ挙げます。
1つ、一回きりではなく、7回の連続設計であること。未来まちづくりワークショップの記事で、私は「一回3時間で描けるのはスケッチまで」と書きました。この会議は夏から秋まで7回、考えて、揉んで、発表までやる。設計の深さがまるで違います。2つ、小学5年生から20代までを同じ場に置くこと。小5と大学生が同じテーマを話す場は、学校にはありません。3つ、見学とアンケートという「外側の関わりしろ」があること。選ばれた20人だけで閉じず、くらしラボで誰でも意見を渡せる。昨日書いた「入り口の分散」への、ひとつの答えがここにありました。4つ、テーマが「よいところ・あったらいいな・こうなったらいいな」と、子どもの言葉で立ててあること。「こども施策への意見」では、小5は書けません。
そのうえで、注文が3つあります。
1つ。第1期の提言が、どうなったのかが見えないことです。告知ページには、前回の会議で出た意見がその後どう扱われたのかの記載が見当たりませんでした。大人のパブコメなら「言っても変わらない」で済みます。しかし子どもは違う。初めて市政に意見した子どもに「言ったら、どうなったか」を返さないのは、「言っても無駄」を最初に学習させてしまうということです。これがこの記事でいちばん書きたい注文です。
2つ。告知の時期。見学とアンケートの案内が市サイトに載ったのは7月23日、第1回の6日前です。夏休みの予定はもう埋まっています。せっかく保護者歓迎の見学枠があるのに、これでは届きません。3つ、約20人という規模。磐田の小中高生は万の単位でいます。もちろん会議体として20人は適正で、だからこそアンケート併用は正しい。ならば、そのアンケートの存在をもっと大きく——学校経由の一斉配信で全員に届けてほしいのです。
対案・結論——「言ったら変わった」を、経験させてほしい
提案は3つです。
第一に、第1期の提言と市の対応を、1ページで公表すること。「こういう意見が出た。ここは実現した。ここはできない、理由はこうだ」。この一覧は、第2期の子どもたちにとって最高の教材にもなります。できない理由を正直に伝えることも、立派なこども施策です。
第二に、10月25日の発表会を、まちに開くこと。会場の公開はもちろん、録画の配信や、発表資料のサイト掲載まで。約20人の3か月の成果を、関係者だけで聞くのはもったいない。磐田南の記事で「まちが人を育て、人がまちを育てる」と書きました。子どもがまちに向かって意見を発表する場こそ、その循環の最初の一周です。
第三に、アンケートを学校経由で全員に届けること。くらしラボの仕組みは既にあるのだから、あとは配るだけです。タブレットが一人一台ある時代、「磐田のあったらいいな」を全小中学生が5分で書ける環境は、もう整っています。
最後に一言。昨日、私は大人のパブコメが30日間で28名だったと書きました。その一方で市は、子どもたちに意見を求める場をつくっている。順番が逆だと笑うこともできます。でも、私はこう考えたい。いま小学5年生でこの会議に出た子が、「言ったら、変わった」を一度でも経験したら、その子は一生、意見を言う大人になります。28名の問題を根本から解くのは、たぶん制度の改良ではなく、この経験の積み重ねです。だからこの会議は、こども施策であると同時に、20年後の磐田の市民をつくる仕事でもある。第1回は、あさって7月29日。見学は保護者も歓迎だそうです。アンケートは「いわたのくらしラボ」から、大人のあなたも出せます。昨日の記事で「一緒に一行書きましょう」と書きました——利害のない一行を書ける場所が、さっそく見つかりましたよ。
出典(2026年7月確認)
- 磐田市「こども若者会議2026の見学およびアンケートを受け付けます!」(メンバー構成・日程・テーマ・見学申込・アンケート) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/1006547/1014654/1015784/1016360.html
- 磐田市「オンラインプラットフォーム(いわたのくらしラボ/Liqlid)」 https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/1006207/1015443.html / https://iwata-city.liqlid.jp/
※日程・受付方法は変更される場合があります。最新情報は磐田市公式サイトでご確認ください。