導入——7月最後の日に、机を片づける
7月が終わります。この一か月、私はこの場で60本を超える記事を書きました。正直に言えば、書いた本人が、何を書いたか覚えきれていません。読んでくださっている方は、なおさらだと思います。
だから今日は、机の上を片づけます。ひと月に書いたことを、二つの紙にまとめ直します。一枚は「請求書」——7月に決まった、家計に効いてくるお金の話。もう一枚は「予定表」——8月に開く、市民が座れる席の話です。
「無関心の値段」という記事で、私はこう書きました。「知らされてはいた。でも、届かなかった」。月末の総ざらいは、その届かなさを少しでも埋めるための作業です。
一枚目——7月の請求書(決まったこと、決まりつつあること)
まず、お金の話から。
国民健康保険税。令和8・9年度の改定で、被保険者一人あたり平均で年間約9,700円の増額が見込まれています。あわせて資産割が廃止され、所得割と均等割の2方式になりました。土地を持つ年金世帯は下がる可能性があり、働き盛りの自営業世帯は平均より重くなる可能性がある——それが、この「平均」の中身です。
下水道と水道。下水道使用料は審議会が1立方メートル135円から150円への道筋を示し、水道は管の入れ替えに154年かかるという計算のもとで値上げが審議されています。
市役所の窓口。これは7月28日に告知されたもので、私はまだ記事にしていません。令和8年11月2日から、市役所の窓口の受付時間が「午前8時30分〜午後5時15分」から「午前9時〜午後4時30分」に変わります。本庁舎・西庁舎・各支所・iプラザが対象で、窓口業務のすべて。理由は業務効率と市民サービス向上のための時間確保、そして職員の働き方改革と時間外勤務の削減です。同時に、マイナンバーカードを使った証明書のコンビニ交付が一律100円減額されます。木曜の午後7時までと第2日曜の開庁は、市民課・市民税課のみ残ります。朝いちばんに寄れなくなる勤め人と、カードを持たない高齢者。この二つを、8月にきちんと書きます。
二枚目——7月に起きたこと
次に、出来事です。7月の磐田は、最後の四日間に集中しました。
7月28日16時27分、熊本県で最大震度7の地震。断水は約8万4千戸——磐田市の全世帯72,400を超える数です。しかも現地はその後、連日の猛暑日予報でした。
同じ7月28日、磐田では落雷により市内一部地域で停電が発生し、翌29日の朝も復旧作業が続きました。市はクーリングシェルターの活用を呼びかけましたが、指定74か所のうち、夜に開いている施設は一つもありませんでした。
16時57分ごろには、市のLINE公式アカウントが約15時間半止まりました。避難所検索も、粗大ごみ申請も、介護認定の進捗確認も、あの中に入っています。三つに因果関係があるとは言えません。ただ、重なったときに何が消えるかは分かりました。
そして今日書いたとおり、落雷による罹災証明書を市は発行していません。市に雷の事実を断定する機能がないからです。片づける前に写真を撮ること、保険証券を開くこと、期限は6か月——それが停電の後始末でした。
もうひとつ、7月に何度も書いた型があります。担い手不足です。土木技術職員の採用試験は申込5人・合格4人。市が7月に出した会計年度任用職員の募集3件は、いずれも任用が令和9年3月31日で切れます。給食のアレルギー対応も、学校の清掃も、不登校の子の支援も、毎年必要な仕事なのに。消防団もため池も農業も後見人も、根は同じでした。
三枚目——8月に開く「席」
ここからが、この記事でいちばん実用的な部分です。8月、磐田では市民が座れる席が三つ開きます。締切のあるものから並べます。
①はまぼう学府「新たな学校づくり検討会」の市民委員公募。募集は8月1日から31日まで。明日からです。応募資格は満18歳以上(高校生を除く)で福田地区在住。対象は福田中・福田小・豊浜小。会議は2〜3か月に1度。私は「反対と言うなら、まず席に座ろう」と書きました。基本方針を検討する段階の席です。
②「見付宿の未来を考える会」。申込の締切は8月16日、開催は8月22日(午後1時〜4時、ワークピア磐田)。定員50名で無料、どなたでも参加できます。東海道28番目の宿場のこれからを、大学の研究室が主催して考える会です。
③こども若者会議2026。会議は8月5日と8月18日。見学の申込ができ、保護者の見学も歓迎されています。そして「いわたのくらしラボ」でのアンケートは、大人でも出せます。
あわせて、8月31日まで水難事故注意報が県内全域に出ています(静岡県水難事故防止対策協議会、6月1日〜8月31日)。夏休みは後半に入ります。川に行くならライフジャケットを、もう一度書いておきます。
評価——7月に見えた、三つの型
60本余りを書いて、繰り返し現れた型が三つありました。ここが、私の7月の結論です。
第一に、「知らせているのに、届かない」。国保税の税率表は画像で貼られ、検索も読み上げもできない。法改正が何か月も市の案内に反映されない。催しの申込は電子申請だけ。審議会の告知は開催の2日前。手続きとしては正しいのに、届いていない。これが7月にいちばん多く見た光景でした。
第二に、「担い手が細っている」。土木職の申込5人。3月で切れる非正規の募集。消防団も、後見人も、ため池も、山も。まちを支える仕事が、選ばれなくなっています。待遇と誇り、その両方に手を打たなければ、この線はもっと細くなります。
第三に、「入り口が一つしかない」。LINEが止まれば窓口が消え、停電すればスマホの電池だけが頼りになる。パブコメの窓は年に数回しか開かない。一つしかない入り口は、閉まった瞬間にゼロになります。
そして、この三つは別々の問題ではありません。届け方が細く、担い手が細く、入り口が細い。細い線を三本たばねても、太い線にはならない。7月の磐田を見ていて、私はそう感じました。
対案・結論——8月は、席に座る月にしたい
提案は、シンプルに二つだけにします。
市民のみなさんへ。8月は、どれか一つでいいので「席」に座ってみませんか。はまぼう学府の委員に応募する。見付宿の会に申し込む。こども若者会議のアンケートに一行書く。全部やる必要はありません。一つでいい。私はパブコメを出そうとして空振りしましたし、本業と近すぎて書き込みを見送ったこともあります。恰好はつきませんでした。それでも、席が開いていることを知っているかどうかで、まちとの距離は変わります。
市へ。8月に開く三つの席の告知を、もう一度、太く出してください。8月1日に始まる公募も、8月16日が締切の会も、いまホームページの奥にあります。広報いわた、ホッとメール、LINE、そして防災行政無線でも回覧でもいい。締切の一週間前に、もう一度。それだけで、座る人は確実に増えます。
最後に一言。7月の磐田は、値上げが決まり、雷が落ち、連絡手段が止まり、熊本の被災を見た月でした。暗い話ばかり書いたようですが、私はそう思っていません。値上げの理由は公開されていました。停電の翌々日には罹災証明のページが更新されました。落雷では証明を出せないと、市は正直に書きました。指定施設の一覧も、その日のうちに更新されていました。手は動いています。あとは、それが市民に届くかどうかです。8月も、その一点を見ていきます。今月もお読みいただき、ありがとうございました。
出典(2026年7月31日確認)
- 本連載の7月公開記事(各記事末尾に一次情報の出典を明記):国保税改定(0089)/下水道使用料(0048)/水道154年(0069)/熊本地震(0188)/落雷停電とクーリングシェルター(0189)/市LINE障害(0096・0190)/罹災証明(0191)/土木職採用(0079・0093)/会計年度任用職員(0097)/はまぼう学府の委員公募(0094)/見付宿の未来を考える会(0088)/こども若者会議(0092) https://oishi-hiroyuki.org/articles/
- 磐田市「令和8年11月2日(月曜)から市役所窓口の受付時間が変わります」(受付時間を午前9時〜午後4時30分に変更、対象は本庁舎・西庁舎・各支所・iプラザの窓口業務すべて、木曜午後7時までと第2日曜の開庁は市民課・市民税課のみ、あわせてコンビニ交付手数料を一律100円減額) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/shiseijouhou/soshikiannai/1016465.html
- 磐田市「水難事故注意報が発令されています」(静岡県水難事故防止対策協議会が県内全域に発令、期間は6月1日〜8月31日) https://www.city.iwata.shizuoka.jp/bousai_anzen/kansenshou/1013903.html
※各制度・日程は変更される場合があります。申込や手続きの詳細は、磐田市公式サイトおよび各担当課でご確認ください。